女性にとって世界で最もトイレが利用しにくい国が明らかに

on
19 November 2017
In
日本
A child walks through the road
Image: WaterAid/ H&M Foundation/ GMB Akash/ Panos

女性にとって世界で最もトイレが利用しにくい国が明らかに

ウォーターエイドは、11月19日世界トイレの日に向けて報告書「安全なトイレはどこに」を発表しました。

最新の報告書によると、トイレを利用できる人口の割合が最も低いのはエチオピアで、93%もの人々がトイレを利用できない環境で生活しています。同国では、スペインの人口とほぼ同じ4,600万人の女性と女の子たちが安全な場所で排泄することができず、健康被害や暴行の危険にさらされています。インドでは、3億5,500万人以上の女性や女の子が適切なトイレを利用できず、もしトイレを利用するために列に並んだとすると、その長さは地球4周分になると言われています。

安全なトイレを利用することは、基本的な人権です。それにもかかわらず、世界人口の3分の1の人々が安全なトイレを利用できず、11億人以上の女性や女の子がそのことによって危機にさらされています。また、トイレを利用できない国の上位10か国は全てサハラ以南アフリカでした。トイレを利用できる人口の割合は28%にとどまり、5歳以下で命を落とす子供の数は先進諸国の15倍にもなります。

 

 

ウォーターエイドジャパン事務局長の高橋郁は話します。

「世界人口の3分の1もの人々が安全なトイレを利用できないというのは、深刻な課題です。トイレがない場所で暮らすことは、特に女性や女の子にとって多くの困難を伴います。野外で排泄する際には、いやがらせや暴行を受ける危険にさらされます。それでも怯えながら、早朝や深夜に、人に見られず用を足せる場所を探して歩かなくてはなりません。また月経期間中、その処理を野外でしなくてはならない苦痛は想像に難くないと思います。国際社会は、2030年までにすべての人々が適切なトイレを利用できるようにすることを目標として定めました。状況はここ数十年で大きく改善されていますが、目標を達成するためにはさらなる努力が必要です。」


世界トイレの日とは

「世界トイレの日」は、世界で起こっているトイレの問題を多くの人に知ってもらい、公衆衛生への関心を高め、問題解決を加速していくための日です。2001年11月19日に世界トイレ機関(World Toilet Organization)が創設され、「世界トイレサミット」が開催されました。その後2013年の国連総会において、毎年11月19日が国連「世界トイレの日」と制定されました。
 

【報告書概要】

・適切なトイレを利用できない人口の割合が多い国 1位はエチオピア

 ―約93%が適切なトイレを利用することができない

 ―スペインの人口とほぼ同じ4,600万人の女性と女の子たちが安全な場所で排泄することができず、健康被害や暴行の危険にさらされている

適切なトイレを利用できない人数が多い国 1位はインド

―3億5,500万人以上の女性や女の子が適切なトイレを利用できない環境で暮らしている

―トイレを利用するために列に並んだとすると、その長さは地球4周分になる

・トイレを利用できない国の上位10か国は全てサハラ以南アフリカ

―トイレを利用できる人口の割合は平均で28%

―5歳以下で命を落とす子供の数は先進諸国の15倍