栄養と水・衛生に関する報告書を発表

on
13 July 2017
In
日本, 水/Water

栄養と水・衛生に関する報告書「Recipe for Success」

現在の進行状況では、2030年までに世界の栄養不良をなくすという持続可能な開発目標(SDGs)を達成することができません。このたび、アクション・アゲインスト・ハンガー、シェア、ウォーターエイドは、目標を達成するためには、栄養と水・衛生の取り組みを統合することが不可欠であることを説明する報告書「Recipe for success」を発表しました。

子供の疾病と罹患率の主要な原因は栄養不良です。世界保健機関(WHO)によると、栄養不良の半数は不十分な水と衛生が原因の病気と関係があると推定されており、切り離して考えることはできません。SDGsが採択されて3年目に入ろうとしていますが、ゴール達成への動きは鈍く、このままでは栄養不良をなくすというゴール2の達成は難しい状況です。世界レベルと各国政府の両方に支持された栄養と水・衛生の統合的アプローチがなければ、ゴールへ向かう動きは今後も限られたものとなるでしょう。

本報告書では、政府とドナー(援助供与国・機関)が取り組んでいる栄養に関するアプローチ、ならびに進捗状況を分析。意思決定者に対し、子供の健康状況を改善するためには、栄養に関する意識と取り組み方法を変え、水・衛生等の分野と効果的に統合することが重要であることを呼びかけています。

昨年発行した報告書「The missing ingredients」に基づいて、今回の報告書は、水・衛生がなぜ栄養に欠かせないのか、そしてこの栄養と水・衛生の統合をどのように強化できるのかについて焦点をあてています。10カ国の栄養および水・衛生の計画・政策の分析を通じて、足りない点・欠如している点を特定し、政策レベルでの効果的な統合と改善がどのように行われるべきかを紹介しています。また、ドナーによる取り組み(イニシアチブ)、栄養への投資に水・衛生がどの程度まで組み込まれているかについても分析しています。