フィロメーナさんは、東ティモール・マヌファヒ県の辺境の村リュブレマに住んでいます。23歳ですが、すでに4人の子供のうち2人を亡くしています。息子のホゼくんは、産まれてから24時間後に亡くなり、3歳の娘のマーシアちゃんは下痢を含む複数の原因により命を落としました。

フィロメーナさんは現在、フィデリアちゃん(5歳)、リヴィアちゃん(2ヶ月)と暮らしています。コーヒー農園を営む夫のモイゼスさんは家から遠く離れた場所で働いているため、1日4-5回の水くみはフィロメーナさんが行います。


水くみはフィロメーナさんの仕事です

「山の湧き水をくむために、1時間歩きます。ポリタンクを2つ持っていくこともありますが、赤ちゃんを連れて行く時は、赤ちゃんと水の両方を抱えなくてはならないので1つです。雨期には道がすべります。」とフィロメーナさんは話します。長女のフィデリアちゃんも、時々小さなポリタンクを持って一緒に水くみに行きます。

また、リュブレマでは野外排泄が一般的であり、女性にとっては恥ずかしいだけでなく、襲われる危険性も高まります。

フィロメーナさんは話します。

「森か、丈が高い草むらで用を足しています。誰かに見られるのではと思うと怖いです。水がないので、トイレもないのです。この村に水がくれば、家をきれいに保ち、野菜を育てることができるでしょう。コーヒーの栽培や洗濯にもっと時間が使えます。トイレがあれば、子供たちも病気にかかりませんし、茂みで用を足す必要がなくなるのはうれしいです。」

皆さまのサポートのおかげで、フィロメーナさんの村には、自然流下方式の給水設備と、すべての家庭にトイレが設置されることになりました。子供たちは学校に通い、健康でいられるようになるでしょう。フィロメーナさんも働く時間ができ、家族を養うための収入を得られるようになります。


導入する技術

ウォーターエイドは、フィロメーナさんの村を含む4つの村で活動を行っています。これまでに4つの水源の水質テストを行い、今年建設が予定されている4つの給水システムのうちの1つが完成しました。残りの3つも、初年度末までの完成に向けて順調に進んでいます。

小川や川など自然の水源から水を引く自然流下方式の給水設備は、丘陵地帯の村に最も適した解決策の1つです。

自然流下方式の給水設備

掘削する井戸とは違い、東ティモールの険しい斜面を輸送することが難しい、水源に向けてドリルで穴を開けるための重機を必要としません。はじめに、村の高い位置にあるきれいな水源の確認とテストを行います。水源からパイプと貯水タンクを通って流れる水は、住居の近くに設置された給水蛇口を通して人々へ供給されます。重力を利用することによって、高価な給水ポンプがなくても、村へ安全な水を供給することができます。


新しくできた給水設備で手を洗う子供たち

水利用者委員会

また、設備の整備と同時に、水利用者委員会の設立を進めています。委員会では、村の人たち自身が責任を持って給水システムや給水設備を維持・管理できるようオーナーシップを養います。

また委員会のメンバーの半分は女性になるようにします。長期的にプロジェクトを進めて行くにためには、水利用者委員会のメンバーの活用と権限付与が不可欠です。ジェンダーバランスの取れた委員会を設立することが、コミュニティ内でジェンダー平等を促進するにあたっての有効な手段になります。例え初めてであっても、女性をリーダーの地位に置くことで、コミュニティにおいて意思決定ができるようになります。


コミュニティのリーダーをつとめるジュリアナさん

水・衛生隊
水・衛生隊
「私も子供たちもあまり食べないようにしています。」

よりよい未来のために

ウォーターエイドはザ・ボディショップからのご支援によって、現地パートナーや村の人々と協力しながら、マゾリアの暮らしを変えようとしています。