安全な水を利用できない人の数は世界中で6億5,000万人。

世界人口の約3分の1にあたる23億人の人々は、十分な衛生設備のない環境で暮らしています。

不衛生な水しかなく衛生設備も整っていないために、下痢で命を落とす子どもたちが毎年約35万人います。1日に約900人の子どもが亡くなっている計算になります。

人間の排せつ物を安全に処理する衛生設備は、健康で満足な生活を送るために、欠くことのできないものです。ところが、23億人 ― 世界人口のおよそ3分の1 ― の人々は、適切なトイレがない環境で生活しています。

危機的現実の要因

安全で清潔なトイレがどこにもない地域に暮らす人々は、病気にさらされ、プライバシーも人間としての尊厳もない状態で排せつせざるをえません。排せつ物が野外に捨てられる地域では、病気の感染も早く、水源も汚染されてしまいます。女性は日が暮れるのを待って、茂みや人目につかない場所に用を足しに行かなければならないことも多く、そうした場所で襲われたり暴行される危険もあります。

衛生設備を改善すれば、健康や生活の質を向上させ、貧困を減らせることが分かっています。しかし、さまざまな事情から、衛生設備の普及は遅々として進んでいません。

  • 政治的意思と制度的責任が欠如している。
  • 衛生環境の改善は容易ではなく、人々が習慣を変える必要もある。
  • 健康上のメリットは、目に見える効果がすぐには現れず、必ずしも理解されるとは限らない。
  • 最も貧しく社会から取り残された人々は、発言力がなく、衛生設備を改善する資金もない場合が多い。

こうした問題に対するWaterAidの取り組みについは、WaterAidの活動をご覧ください。 >

A man looks at the camera with a field in the background.

危機的な現実に生きる人々

A woman giving her children water to drink

ガートルード・チンブウェさん
(ザンビア)

息子のハカリマくん(3歳)に飲み水を与えるガートルード・チンブウェさん。(ザンビア、ナマルバ区)

「私の家はトイレがダメになってしまって、トイレがないから茂みに行くんです。でも、あそこに行くのは嫌なんです。誰かが通りかかって、用を足しているのを見られるんじゃないかって、いつも心配だし、便を踏んづけて病気を家に持って帰ってしまうのも心配です。」

A woman holding her child in her arms

パトゥマ・ムバンデさん(マラウイ)

娘のアクラトゥを抱っこして自宅のトイレの外に立つパトゥマ・ムバンデさん。(マラウイ、リロングウェ県ムウェニェコンド)

「時々、家のトイレで、誰かが穴の中ではなく床の上に便をしているんです。特に夜、そういったことが起こります。もっと良いトイレがあれば、もっと良い生活ができて、もっと健康でいられるのに。きちんと掃き掃除をして、モップもかけられるのに。もしトイレに屋根があれば、ハエが出入りすることもないし、そのまま食べ物にとまることもないのに、と思います。」

A woman outsite a public latrine

ラジュ・ベグムさん(バングラデシュ)

非衛生的な仮設トイレのそばに立つラジュ・ベグムさん。(バングラデシュ、チッタゴン市モティジャーナ・スラム)

「このトイレを使うのはすごく嫌。いつ使っても嫌な思いをします。とんでもなく臭いし、みんなこのトイレを使って病気になっているんです。私の家族も病気になりました。新しいトイレが来たら、古いトイレは壊されることになります。そうしたら、病気も減るし、もっと衛生的になるでしょう。それに、もっと安全になるはず。今みたいに男の人が通りかかることがなくなれば、もっと安心できると思います。そこらじゅうに新しいトイレがあればいいのですが。」