WaterAidの歴史は1981年にまでさかのぼります。この年の7月21日、WaterAidは法人として正式に設立されました。

WaterAidは30年以上にわたり、水と衛生設備、衛生教育を、最も必要とする人々に届けるという経験を重ねてきました。

その間、活動の幅を広げ、組織としても成長し、水・衛生設備・衛生習慣の問題に専門的に取り組む組織として、高い評価を受けるようになりました。

また、多くの方々からご寄付・ご支援を得て、貧困を減らすうえで欠くことのできない水・衛生設備・衛生習慣の役割が世界レベルで認識されるように、政策の決定機関や運営機関に対する働きかけも行ってきました。



A girl and a boy wash their hands in front of a toilet block


1980年代

  • 1981年、イギリスで「渇いた第三世界会議(Thirsty Third World Conference)」が組織されました。この会議は、国連の「国際飲料水供給と衛生の10年」(1981~1991年)を受けて、イギリス水道業界の対応を検討するために、イギリス政府の水評議会が組織したものです。この年、水道業界で働く人々から2万5,000ポンドの寄付金が集まり、VSO(Voluntary Service Overseas:海外協力隊)の元理事長デイビッド・コレットが、WaterAidの初代ダイレクターに任命されました。 

  • 支援を必要とする数多くの国のなかから、ザンビアとスリランカが最初にWaterAidの支援プロジェクトの対象国となりました。 

  • 1980年代を通して、イギリスの水道業界ではさまざまな組織のなかにWaterAidのファンドレイジング地域委員会がつくられ、より組織的なファンドレイジングイベントが開催されるようになりました。 

A black and white photo from one of WaterAid's first projects.

A black and white photo of WaterAid's founders from the UK water industry.


1990年代

  • 1991年、チャールズ英国皇太子がWaterAidの初代会長に就任し、WaterAidのプロジェクトを視察するためネパールを訪問されました。チャールズ皇太子は現在も会長として支援を続けておられます。  

  • 1993年、WaterAidは1,000件目のプロジェクトに着手しました。また、エチオピアのヒトサ自然流下システムへの資金提供にも合意。このヒトサ自然流下システムは、5万人に水を供給できるという、エチオピアで実施された単体の給水システムとしては当時最大のものでした。 

  • 1994年、BBCの子ども番組「ブルーピーター」の呼びかけで165万ポンドを超える募金がWaterAidに寄せられたこともあり、イギリスにおけるWaterAidの知名度はさらに高まりました。同年、WaterAidは、オックスファム、グリーンピースと並んで、グラストンベリー・フェスティバル(イギリス最大の野外フェス)の支援先に選ばれました。また、最初の提言レポート『Mega-Slums: the coming sanitary crisis(巨大スラム:来たるべき衛生危機)』を作成し、政策への働きかけも強化しました。

A group of children in Madagascar.

School children in a hygiene education class.

A group of women fetching water with containers.

  • 1990年代末までに、ナイジェリア、モザンビーク、ザンビア、マダガスカル、マラウイのプロジェクトに資金提供を行いました。イギリス国外の活動すべてについて、国ごとに戦略が策定・承認されました。また、給水・衛生設備を設置した地域の人々が健康上のメリットを最大限に受けられるようにするために、衛生教育に関する方針を策定。さらに、都市の給水プロジェクトを始動しました。  

  • イギリスではWaterAidの組織基盤がさらに発展し、地域事務所も数か所に開設されました。1999年、CEOのジョン・レーンが退任。のちに業績がたたえられ大英帝国勲章を受勲したジョン・レーンの後任者として、ActionAidからラビ・ナラヤナンがCEOに就任しました。

  • 他にも1990年代には次のようなできごとがありました。:
    - ストックホルム・ウォータープライズ受賞。副賞として15万米ドルを授与されました。
    - マンロウ登山でギネス記録に認定されました。
    - ガーディアン紙が呼びかけたクリスマス募金の支援先に選ばれました。  

2000年代

  • 新しい世紀の幕開けと共に、WaterAidはマリとブルキナファソでの活動を開始。世界で最も貧しい地域のなかで支援を受ける人々の人数が合計600万人を超えました。  

  • 2002年、水を利用する権利は人権であると宣言されました。2000年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」では、衛生的な水を利用できない人の数を2015年までに半減させることが、ミレニアム開発目標(MDGs)として掲げられました。WaterAidなどの団体によるロビー活動が功を奏し、衛生設備の項目もMDGsに追加されました。  

  • 世界の政治の場だけでなく一般社会でも、WaterAidの活動の重要性に対する認識が広がりました。2002年にはさらに、BBCの子ども番組「ブルーピーター」でタンザニアとウガンダの給水プロジェクトに対する支援を呼びかけて145万ポンドを超える募金が集まり、またガーディアン紙とオブザーバー紙のクリスマス募金の呼びかけでは45万ポンド以上の募金が寄せられました。 

  • 一般の人々に対する呼びかけで寄せられた募金に加え、WaterAidは官民両セクターから大規模な資金援助や助成金を受けるようになりました。2003年にはイギリス国際開発省(DFID)からWaterAidに対して、バングラデシュの貧しいコミュニティにまで支援プロジェクトを拡大するために、1,550万ポンドの助成金が支給されました。
Campaigners in front of the White House in Washington, D.C.

  • 2003年までにWaterAidの支援によって安全な水を利用できるようになった人の数は750万人を超え、この年、WaterAidはイギリスのチャリティ・タイムズ・アワードでチャリティ・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。WaterAidはプロジェクトを強化して最も貧しいコミュニティに支援の手が届くように、支援対象の15か国すべてで活動を拡大しました。  
Two children washing their hands at a tap. 
  • 2004年、アメリカとオーストラリアが新たな支援国としてWaterAidに加わり、パプアニューギニアと東ティモールの新プロジェクトに対して資金提供を行いました。

A WaterAid employee speaking at an event.
  • 同じく2004年、『Education drain(教育の枯渇)』レポートを発行し、水が乏しく衛生設備を利用できないことが子どもの生活と教育にどのような悪影響を及ぼしているかをまとめました。また、イギリスのインディペンデント紙のクリスマス募金では3万ポンド以上が集まりました。 

  • 2005年、国連「『命のための水』国際行動の10年」が開始。この宣言では水と衛生の問題がMDGの最重要項目とされました。WaterAidのレポート 『Getting to boiling point(加熱する水衛生ニーズ)』 発行後、イギリス政府は3月、アフリカの水・衛生設備プロジェクトに対する支援を倍増すると発表しました。

  • 2006年にはさらに変化がありました。ラビ・ナラヤナンが退任し、元ADD(Action on Disability and Development:障がいと開発に関するアクション)最高責任者のバーバラ・フロストが後任としてWaterAidのCEOに就任。さらにこの年、WaterAidのロゴが新しくなりました。

  • 2008年は国連の国際衛生年にあたり、WaterAidイギリスの政策担当責任者マーガレット・バティが国連の持続可能な開発委員会におけるスピーチで、衛生設備の問題が放置されている状況を覆す必要があることを強調しました。また、日本でのG8サミット開催にあわせてキャンペーン活動も行い、衛生設備と水の問題が議題として取り上げられたばかりか、最終的な宣言に盛り込まれるという成果を上げることができました。

  • 2009年、WaterAidはスウェーデンにファンドレイジング業務を行う事務所を新設。グローバル戦略も始動し、2015年までに30か国でさらに2,500万人に支援を提供するという大きな目標の設定も行いました。

2010年代

  • 2010年、WaterAidイギリスのCEOバーバラ・フロストが国連でスピーチを行い、危機的現実と行動の必要性を強調しました。また、国連の水と衛生に関するハイレベル会合に出席中の各国首脳陣に働きかけを行うために、WaterAidは「トイレに並ぶ世界一長い行列」を主催。この会合で、安全な水と衛生設備を利用することは人権であると宣言されました。  

    • 同じく2010年、WaterAidが真にグローバルな組織へと成長するなかで、意欲的なグローバル戦略の達成に不可欠な要素として、WaterAid international(WAi)を正式に発足しました。  

             
    • 皆様のいつも変わらぬ温かいご支援・ご協力のおかげで、WaterAidは設立30周年となる2011年までに、安全な水を約1,600万人、衛生設備を1,100万人以上の人々に届けることができました。  


    • 2012年、「Big Dig(ビッグ・ディグ)」プロジェクトの呼びかけで、マラウイの農村で行っているWaterAidの活動に200万ポンドを超える多額の募金が集まり、13万4,000人以上の人々が安全な水と衛生設備を利用できるようになるという、実に大きな成果を上げることができました。

    The World's longest toilet queue stunt in London, 2010.

    Water spurts from the ground from a drill hole, Malawi.