清潔な水が使えるようになって1年~マラウイの村のストーリー

Rafiq Moyenda, 24, and Chrissy Rafiq, 24, working together in their garden, Vimphere Village, Kasungu, Malawi, September 2017
Image: WaterAid/ Dennis Lupenga

デニスは、ウォーターエイドにおいて、現地からの声を届けることを担当するフィールドオフィサー8人のうちの1人です。マラウイ出身で、コミュニティの話や、清潔な水、適切なトイレ、良い衛生習慣を得るための村の人々の努力などを発信しています。清潔な水が使えるようになってから約1年経ったマラウイのVimphere村。人々の生活がどのように変わったのか、Vimphere村を再訪したデニスが報告します。

2016年12月、私はVimphere村の人々が、清潔な水を使えるようになったことを祝福する瞬間に立ち会いました。それまで村の人々は、何年もの間、不衛生な水たまりから限られた量の水をくんでいました。そのため、井戸の設置は人々に大歓迎されました。

それから1年後となる今、Vimphere村には、清潔な水を確実に得ることができ給水設備があります。コミュニティの人々は貴重な時間を費やして、不衛生な水をくみに行くことがなくなりました。

女性と女の子たちは、水くみのために、夜の間ずっと、水たまりの水が増えるのを何時間も待つことがなくなりました。子供たちが学校の授業に遅刻をしたり、欠席したりすることもなくなりました。

人々は、以前よりも働くことに使える時間ができたため、他の家事を終わらせて野菜畑に時間を使えるようになりました。そして村の多くの人たちが、自分たちの健康が大きく改善されていることを実感しています。

理髪店を営むラフィークさん

ラフィークさんに初めて会った時、彼は理髪店の経営と畑仕事の両方をやっていくのに必死でした。一方、奥さんのクリッシーさんは、ほとんどの時間を水くみに使わなければなりませんでした。しかし、井戸が設置されてから、家族の生活は「劇的に変わった」とラフィークさんは話してくれました。

Rafiq Moyenda, 24, and Chrissy Moyenda, 24, happy to spend more time together, Vimphere Village, Kasungu, Malawi, September 2017
ラフィークさんとクリッシーさんは、井戸が設置されてから一緒に菜園で働く時間が増えました。
Image: WaterAid/Dennis Lupenga

ラフィークさん「理髪店はとても人気です。それに、(井戸のおかげで)いつも妻と畑仕事ができるようになりました。おかげで作物の収量が増えて、家計も改善されました。私たちは今、私たちが経営している小規模なお店のような他のビジネスにもお金を使うことができます。妻があまり疲れることがなくなったので、それもまた嬉しいです。今の彼女は以前よりも幸せそうで、私たち家族も前よりずっと健康になりました。」

オートバイ(と車も!)を手に入れました

ビジネスを営み、5人の子供をもつ母のジョイスさんは、自分の仕事で成果があったことを喜んでいます。

「今は暮らしが良くなりました。以前は、食料品店を営業することができるのは午前中の2時間と午後の2時間だけでしたが、今は(以前よりも長い時間お店を営業して)より多くの売上をあげることができます。その証拠に、私たちは新車とミニバイクを買うことができました。水がなかったら絶対にこのようなことはできませんでした。」

Joyce Kachingwe, 37, with her husband Rabson, 41, and children, Jefale, Neverson, and Martin, Vimphere Village, Kasungu, Malawi, September 2017
マラウイ、Vimphere村 (2017年9月):新しい車の前で写真を撮るジョイスさんとご家族
Image: WaterAid/Dennis Lupenga

また、ジョイスさんは村のコミュニティにとって大切な役割を担っています。井戸が設置された後、井戸の維持管理に必要な部品を買うために、村の人々は、毎月お金を集めるしくみを考案する必要がありました。

ジョイスさん「私は会計担当者に選ばれ、井戸にかかる費用を管理しています。」

「研修では井戸が壊れた場合の簡単な修理方法を学びました。交換用の部品など修理に使う道具はすべてそろえています。井戸がいつも良い状態で維持されていることを嬉しく思います。」

村に戻ったアーネストさん

昨年、アーネストさんは村の生活が困難であることから村を離れたのですが、清潔な水が使えるようになって様々なことが変わったと聞いて戻ってきました。

アーネストさん「(井戸が建設されてから)Vimphere村の人々の生活が大きく前進したという良い話をたくさん聞きました。人々の暮らしが改善されていると聞いて、私も村に帰ることを決めました。」

「初めて井戸の水を飲んだときは驚きました。それに、朝の6時に起きて井戸に水がたくさんあることにも感激しました。私たちは以前よりも長い時間、夜休むことができるようになりました。朝は早起きして畑に行き、畑仕事をしようと決めることもでき、一日中いつでも水があるので安心できます。何もかもが違う場所のようです。」

Esnart Phiri, 22, at the borehole, Vimphere Village, Kasungu, Malawi, September 2017
マラウイのVimphere村にできた井戸から水を飲むのを楽しんでいるアーネストさん
Image: WaterAid/Dennis Lupenga

(デニス)アーネストさんの話には一番感動しました。これまでずっと清潔な水がない状態で暮らしていた彼女の話や、村で起こった大きな変化を彼女がどのように見てきたのかを聞いて驚きました。

清潔な水は生活を改善するだけではありません。幸せと祝福の源でもあるのです。またこうした大切な資源を受け取ったコミュニティを訪れるのが楽しみです。