【活動レポート・ブログ】10月15日は世界手洗いの日:「なぜ今も手を清潔にすることが重要なのか?」
毎年10月15日は「世界手洗いの日」(Global Handwashing Day)です。石けんときれいな水で手を洗うというシンプルなことが、病気を予防し命を救う最も効果的な方法のひとつであることを改めて考える1日です。
今年2024年の「世界手洗いの日」のテーマは、「なぜ今も手を清潔にすることが重要なのか?」。その答えは、手を清潔にすることは、感染症や病気、有害な細菌のまん延を防ぐ最前線の防御手段であり続けている、という事実にあります。
家庭でも、病院でも、学校でも、職場でも、石けんと水による手洗いは、人々の健康と安全な暮らしのために不可欠です。しかし、世界では、約20億人(4人に1人)が、家で石けんと水を使って手洗いすることができません。
医療現場においても、状況は同様に深刻です。世界保健機関(WHO)とユニセフの報告によると、世界の約半数の保健医療施設では、治療する場所またはトイレの周囲に手洗い設備が設置されていません。つまり、これらの保健医療施設では、医療従事者が患者の治療前後に適切な手洗いができず、その保健医療施設を利用するすべての人々が感染の危険にさらされていると言えます。
保健医療施設における手洗いは、不可欠であるにもかかわらず、なかなか重要な取り組みとして認識されていません。さらに、仮に手洗い設備があったとしても、医療従事者が手洗いを行わないこともあり、手洗い設備の設置のみならず、手洗い行動の実践を促進することも重要です。
ウォーターエイドでは、保健医療施設における水・衛生に注力しており、その一環として、保健医療施設の手洗い設備の設置、かつ手洗いなどの衛生行動の普及に取り組むほか、各国政府が主体となって、手洗いを国中に広めることをサポートしています。
ウォーターエイドの活動の一例として、マラウイ中部のンチシ県の保健医療施設における水・衛生改善に焦点を当てたプロジェクトがあります。この地域の保健医療施設は、水、衛生設備、廃棄物管理などが劣悪であったため、患者や医療従事者の安全と健康を守ることが難しい状況にありました。
ウォーターエイドは、4つの保健医療施設を対象に、給水設備、トイレ、手洗い設備、廃棄物管理設備の新設または修理、医療従事者を対象とした正しい手洗い方法や手洗いをすべきタイミングに関するトレーニング、保健医療施設における衛生管理と感染予防実践に関するトレーニングなどを実施。この結果、この4施設を利用する住民31万7000人の健康状態の改善につながりました。
家庭でも、コミュニティでも、保健医療施設でも、職場でも、石けんで手を洗うというシンプルな行動には、命を守る力があります。ウォーターエイドでは、誰もが、どこでも、清潔な水と石けんで手を洗うという基本的な権利を確保できるよう活動を続けています。「世界手洗いの日」に、手洗いの重要性について改めて考え、皆さんと一緒に、手洗いの重要性を発信していきます。