【活動レポート・ブログ】ルワンダ:水・衛生プロジェクトを初めて視察した職員が感じたウォーターエイドの魅力

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Image: WaterAid Japan

ウォーターエイドは、ルワンダ共和国におけるプロジェクト「東部県キレへ郡における水・衛生事業」を、令和3年度日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。2月15日、この事業により建設された給水システムと学校のトイレの完成を祝うセレモニーが、キレへ郡のコミュニティにて催されました。

ウォーターエイドジャパンの職員である高橋と田川は、2月13日から17日、ルワンダの首都キガリと東部県キレへ郡を訪問しました。2021年にウォーターエイドジャパンに入職しファンドレイズを担当している田川にとっては、初めての事業視察。水・衛生プロジェクトの視察はもちろん、現地パートナーやコミュニティの人々、ウォーターエイド・ルワンダの職員との交流は、ウォーターエイドの魅力にあふれていました。ルワンダで過ごした5日間の記憶を書き記します。

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ルワンダ、「千の丘の国」

ルワンダは、アフリカ大陸の中部に位置する内陸国です。1990年代前半の内戦から復興を果たし、2010年以降、年平均7%以上の経済成長を維持しています。赤道直下に位置しながら平均標高が1,600mであるため、気温は年間を通して15度~30度と過ごしやすい気候です。「千の丘の国」と称されるほど山や丘が多く、遠くを眺めるとどこまでも続く美しい山々の景色が圧巻でした。

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ウォーターエイド・ルワンダ事務所からの景色
Image: WaterAid Japan
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坂道が多いキガリの街。道は舗装され歩道も整備されている
Image: WaterAid Japan

ウォーターエイド・ルワンダの事務所はキガリに位置します。事務所の入り口には、セーフガーディングに関する行動規範を示す大きなパネルが。ウォーターエイドは、「すべての人に水・衛生」を実現するため、そして、世界中から寄せられた資金を最も効果的・効率的に活用できるように、コミュニティの人々やパートナー団体、ウォーターエイドの職員を含むすべての関係者が心身ともに健康であるための取り組みにも力を入れています。

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セーフガーディングに関する行動規範を示すパネル
Image: WaterAid Japan

 

2月15日、給水システムと学校のトイレの完成を祝うセレモニー

ルワンダでは、都市部の人口の80%以上が清潔な水を利用できる一方、農村部では56%の人しか清潔な水を利用できません。ウォーターエイドが水・衛生プロジェクトを実施している東部県キレへ郡は、キガリから車で3時間ほど離れた山岳地帯。都市部からの距離や険しい地形が原因で、開発が遅れている地域のひとつです。

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朝7時にキガリを出発してから3時間後、舗装されていない急な坂道を登ってキレへ郡のコミュニティに到着した車両
Image: WaterAid Japan

ウォーターエイドは、東部県キレへ郡のキガラマセクター、ニャムガリセクターを対象に、22キロのパイプライン、3基の貯水槽、7か所の水くみ場などからなる自然流下式※の給水システム、そして学校3校のトイレ棟を建設しました。また、維持管理を担当する民間企業や水利用者委員会等のトレーニングを実施し、維持管理のしくみを整えました。さらにコミュニティ衛生クラブを立ち上げてトレーニングを実施し、住民の衛生習慣改善にも取り組んでいます。
(※自然流下式とは、丘陵地帯など高低差のある地形でよく採用する重力を活用した水の技術です。詳しくはこちら>>ウォーターエイドの水の技術

2月15日、このプロジェクトで建設した給水システムと学校のトイレの完成を祝い、コミュニティに設備を引き渡すセレモニーが開催され、ウォーターエイドの職員、在ルワンダ日本国大使館、国際協力機構(JICA)ルワンダ事務所、ルワンダのインフラ省、キレへ郡、水衛生公社(WASAC)、民間企業等からの出席者とコミュニティの人々が集いました。

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到着後、完成した設備を見学しました。貯水槽や手洗い場、トイレを歩いて見てまわります。多くのコミュニティの人々も一緒に歩いてまわりました。近くの小学校から先生と生徒たちもやってきて、私たちが設備を見学する様子を嬉しそうに見ていました。

「これまでは飲める水が出てくる蛇口なんて(このコミュニティには)なかったんだよ。信じられる?ついにキレイな水が使えるようになったんだ。ありがとう!」これは、設備の見学中、コミュニティの30代くらいの男性がかけてくれた言葉です。去り際にスキップをする様子から、彼の喜びをひしひしと感じ心があたたかくなりました。

見学の後は会場に戻り、セレモニーを開始。出席者が挨拶をしたり、コミュニティの人たちが歌や踊りを披露してくれたりしました。このセレモニーでコミュニティを代表してスピーチをした女性の言葉は、とても印象的でした。「このコミュニティにとって唯一の水源である川で、足を滑らせた人が命を失ったことがある。清潔な水を使えるということが、どれほど嬉しいことか伝えきれません。本当に感謝しています」

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スピーチをしたコミュニティの女性
Image: WaterAid Japan

起伏の多い地形であるルワンダで、川で水をくむためにポリタンクを抱えて、舗装されていない急な坂道を往復する日々の厳しさは、想像に難くありません。過酷な環境で暮らしてきた人々に、清潔な水を届けることができたひとつの大きな成果として、記憶に残る1日となりました。

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セレモニーが開催されたコミュニティから見える風景
Image: WaterAid Japan

 

ウォーターエイド・ルワンダの職員の言葉

“Partnership and sustainability” This is what WaterAid is known for.
「ウォーターエイドの役割は、現地パートナーやコミュニティの人々の背中を押すこと。彼らは、彼ら自身で歩みを進めることができる」-ウォーターエイド・ルワンダの現地代表は、そう話していました。

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ウォーターエイド・ルワンダの職員。背中には「Dignified Life」の文字
Image: WaterAid Japan

今回のプロジェクトはウォーターエイドだけで実現したのではなく、日本政府や寄付者の皆さまの支えのもと、キレへ郡庁や民間企業、水衛生公社、コミュニティの人々の手によって進められました。完成した設備は、ルワンダ政府の方針により今後キレへ郡が所有し、運営管理は民間企業に委託されます。

ウォーターエイドは40年以上にわたり水と衛生に関する専門知識を積み重ねてきましたが、これらの知見を最大限に活かすには、このような他組織とのパートナーシップが欠かせません。地域に根ざした現地パートナーやコミュニティの人々と信頼関係を築き、清潔な水の供給を持続可能なものにする―それこそが、ウォーターエイドの最大の強みです。またそれは、ウォーターエイドの職員が共通して誇りに思うウォーターエイドの魅力でもあるということを、あらためて実感したルワンダでの5日間でした。

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「私たちは、日本の皆さまからの支援のもと、開発から取り残されていたキレへ郡のコミュニティに水・衛生を届け、人々の暮らしを向上できたことを大変嬉しく思っています。そして、ルワンダと日本のパートナーシップに感謝し、このような素晴らしい協力関係が続くことを心から願っています。ウォーターエイド・ルワンダ 水・衛生シニアエキスパート ランバート・カラングワ」
Image: WaterAid Japan

ウォーターエイドジャパン 田川 みこ