【ブログ・活動レポート】ルワンダ:未来をつなぐ水を届ける~東部県ブゲセラ郡における2か年プロジェクト

Image: WaterAid/ Tracy Keza

ウォーターエイドジャパンでは、この夏、6月16日から8月31日にかけ、アフリカ東部に位置する内陸国ルワンダの東部県ブゲセラ郡における水・衛生改善を目指す事業のために、目標額300万円としてご寄付を呼びかけています。開始から1週間で、すでに15人の方々から231,000円のご寄付をお寄せいただいています。ご協力いただきました皆さまに心から御礼申し上げます。


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今回、ご支援を呼びかけているのは、2024年8月から2026年6月までの2年間にわたり、ルワンダの東部県ブゲセラ郡にあるムセニイ、マレバ、ンゲルカという3つ セクター(セクター:郡の下の行政区画)で現在実施している水・衛生プロジェクトです。現在、プロジェクト開始から1年が経ったところですが、1年後のプロジェクト終了時には、12,000人が清潔な水を使えるようになることを目指し、日々活動しています。

ブゲセラ郡における水・トイレの課題と現状 

今回のプロジェクト実施地であるブゲセラ郡は、ルワンダ南東部に位置し、政府が掲げる水・衛生サービス改善計画でも重要な重点地域となっています。ブゲセラ郡には、15のセクターがあり、約55万人が暮らしています。

Bugesera district, Rwanda

首都のキガリのような都市部では、水・衛生インフラの整備が進む一方で、山がちな地形 も相まって、東部県ブゲセラ郡など農村地域では、依然として深刻な水・衛生課題が残されています。

  • 人口の20%が川や池などの表層水を利用している
  • 76%の家庭には、石けんと水で手を洗う設備がない
  • 人口の31%が、適切なトイレを利用できない
, Bugesera, Rwanda. March 2025.
Image: WaterAid/ Tracy Keza

住民のほとんどは、ブルンジとの国境をまたぐシオオア・スッド湖などから安全ではない水をくんでいます。しかし、こうした湖などの水は、家畜などの動物も利用しているうえ、飲料水としての安全性の基準を満たしていません。また、ブゲセラ郡は乾期が長く、湖などの水源が枯渇して水不足が深刻化し、農作物の生育にも影響を受けています。

Community members collecting water for their home use from an open water source, Bitaba Cell, Misatsi Village, Mwogo sector, Bugesera District, October 2022.
Image: WaterAid/ James Kiyimba

現在、ブゲセラ郡には、3つの浄水場があり、郡内の15のセクターすべてに供給できる十分な水量を確保する機能は備わっているものの、多くのコミュニティには、浄水場からの給水網が届いていません。例えば、水・衛生サービスの普及率が最も低い地域のひとつであるムセニイセクターはでは、浄水場貯水槽に水をひき 、そこからセクター内に給水していますが、需要が供給を大幅に上回っています。その結果、ルワンダの水・衛生公社(WASAC)は給水の制限を余儀なくされ、ムセニイセクターでは現在、10日のうちわずか2日間しか安全な水が使えません。

ウォーターエイドの取り組み

このような状況を改善するため、このプロジェクトでは、ブゲセラ郡政府、WASAC、現地パートナーと連携しながら、以下の活動を行います。

Esther Nishyirembere, 43 years-old, Nyamigisha Village, Nyamigina Cell in Mareba Sector, Bugesera Dsitrict. March 2025.
Image: WaterAid/ Tracy Keza

・ムセニイセクターのコミュニティへの給水網拡大

貯水槽からムセイニセクターのコミュニティへ給水する17kmのパイプを敷設し、コミュニティ内に水くみ場を設置します。また、低コストなプリペイド式の水道メーターを試験的に導入し、他の地域での横展開を目指します。加えて、このプリペイド式水道メーターの維持管理を担う人材を育成します。

・ムセニイ、マレバ、ンゲルカセクターのコミュニティと学校での適切なトイレの普及 

学校に男女別のトイレ棟を設置します。トイレ棟には、障害のある人も利用できるインクルーシブトイレも設置するほか、月経衛生管理のための部屋も併設します。また、「モデル(見本)」となる家庭用トイレを建設し、トイレ職人を60名育成します。併せて、各家庭における、衛生的な環境の維持を促すためのキャンペーンを実施します。また、コミュニティの村落貯蓄貸付グループ(Village Savings and Loans Association=VSLA)に対して、経理に関するトレーニングを行い、コミュニティが自らトイレや各家庭への給水網の延長等に対して資金拠出する体制をつくります。

・水・衛生管理へのコミュニティ参加促進 

水利用委員会や地域のリーダーに対して、水・衛生に関する主要な規制・ガイドラインについて研修を行い、給水設備が故障した場合には、それを維持管理担当者に伝達し、きちんと修理されたかモニタリングする体制をつくります。また、ラジオキャンペーンを実施して、水・衛生に関する規制やガイドラインについて周知し、地域の水・衛生サービスについて意思決定者が責任を持つようにします。

・コミュニティの衛生習慣の改善

59,000人を対象とした衛生習慣促進キャンペーンを実施します。保健医療施設で働く255人、また地域のリーダー138人を対象に正しい衛生習慣を広めるためのトレーニングを行います。また、学校23校において、生徒たちが参加する水・衛生クラブを立ち上げ、同クラブに所属する生徒たちが正しい衛生習慣を学校内で広める活動を進められるよう、生徒たち・担当教師たちを対象としたトレーニングも実施します。

Community workshop, Bugesera district, Rwanda
Image: WateAid Rwanda

これらの取り組み、インフラ整備とコミュニティの参加や衛生行動改善を通じて、持続可能な水・衛生のしくみを地域の人々とともに作り上げていきます。

夏募金キャンペーン開始から1週間、目標の300万円まであと、276.9万円です。1年後の夏には、12,000人がきれいな水を利用できるようになることを目指し、引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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