【活動レポート・ブログ】南部アフリカにおける新型コロナウイルス感染症第2波の到来に懸念 最も重要な衛生習慣に焦点を当てなおす
新型コロナウイルス感染症の第2波による影響が、特に南部アフリカで急速に拡大しています。
新型コロナウイルス感染症の新規感染が、南部アフリカで増加しています。十分な集中治療ができておらず、ワクチンの接種がいつ始まるのかも不確実です。
1月25日時点の世界保健機関(WHO)の発表によると、24時間以内に報告された新規感染は、マラウイでは1000件以上にのぼり、これは4月以降に同国で確認された件数の合計(18,000件以上)の約6%に相当します。また、ザンビアでは、44,000件を超える総数のほぼ3%に相当する新規感染件数が、1月25日の24時間で報告されました。(*)南アフリカでは、これまでに報告された総数140万件に加えて新たに8000件を超える感染が確認され、死亡者数も41,000件近くに増加していることで、これまで以上に警戒が強まっています。
ウォーターエイドの南部アフリカ地域プログラムマネジャー、エライジャ・アデラは次のように話します。
「ウォーターエイドは、活動している国々において、新型コロナウイルス感染症が再度拡大していることを強く懸念しています。」
新たに到来した第2波によって再び注目すべきことは、正しい衛生習慣が公衆衛生やウイルスの拡散防止に重要であるということです。石けんと水を使って定期的に手洗いをする習慣は、ウイルスを封じ込めるための第一の防御策であり、緊急に強化していく必要があります。
「石けんと水を使った手洗いやマスクの着用、そして人との距離を保つといったような基本的な衛生行動の実践は、改めて強化すべき優先事項です。政府は、この地域に住むすべての人々が、ウイルス感染を防ぐ第一の防御策として、自宅や学校、保健医療施設で清潔な水を使えるようにしなければなりません。」とアデラは話します。
実際、最新のデータ(**)によると、ザンビアでは、58%の家庭に手洗い設備がないことが明らかになっています。ウォーターエイドは、新型コロナウイルス感染症に対応し、市場、学校、保健医療施設やバス停に公共の手洗い設備を設置してきました。またこの活動と合わせて、人々の行動変容を促すキャンペーンを展開し、マスクを着用することや石けんを使って頻繁に手を洗うこと、頻繁に触れるものの表面をきれいにしておくこと、そして人との距離を保つことを呼びかけています。
人の多い都市部や、限定的にしか水・衛生インフラが利用できないインフォーマルな居住地では、石けんを使った効果的な手洗いを頻繁に行ったり、人との距離を保ったりすることができず、感染予防が困難です。さらに憂慮すべきなのは、学校が過密状態になっていることや、増え続ける新型コロナウイルス感染数に保健医療施設が対処しきれず、医療従事者たちが限界に達していることです。
*WHO Covid cases dashboard: https://covid19.who.int/table
**ユニセフと世界保健機関(WHO)の共同モニタリングプログラム(JMP)による、自宅に手洗い設備がない人の統計(2017年):マラウイ(15%)、エスワティニ王国(44%)、南アフリカ(12%)、ザンビア(58%)