【支援の現場から】新型コロナウイルス感染症に関する世界の状況とウォーターエイドの対応:2020.06.29版

on
10 July 2020
Our partner NRSP - National Rural Support Programme has installed handwashing stations in eight union councils of Hyderabad. The present situation asks for more cautious behaviour and regular handwashing with soap for 20 seconds. Covid-19 response. Pa ...
WaterAid Pakistan

世界の状況:感染者は約960万人、1日あたり15万人以上の増加

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、世界で確認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数は約960万人で、この2週間で200万人以上、増加しました。1日あたり15万人以上の増加です。感染者は215の国と地域で確認されています。

感染者数を国別にみると、アメリカが約250万人、ブラジルが約120万人で、この2カ国で世界全体の感染者数の約3分の1を占めています。インドの感染者数は約50万人以上で、ロシアに次いで、世界で4番目に多い感染症者数となっています。

亡くなった人の数は、2週間で約6万人増え、世界全体で約42万6,000人となりました。

ジョンズ・ホプキンス大学がデータの収集を開始して以来、約480万人が新型コロナウイルス感染症から回復しています。

各国政府は、経済的、社会的な困難に対応するために、徐々に制限を緩和していますが、同時に、新たな感染にも対処しています。一部のヨーロッパ諸国はすでにEU外からの入国者を受け入れていますが、感染が急速に拡大しているアメリカとロシアからの入国についてEUは受け入れないことを推奨しています。イギリスは、ヨーロッパ諸国との間で検疫や制限なしに市民が移動すること認める「エアブリッジ」について交渉を続けています。オーストラリアでは、2番目に人口の多いビクトリア州で新たな感染者が確認されたものの、政府は規制緩和を継続する方針です。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は「各国が社会や経済の再開を強く望むことは理解できるが、ウイルスは依然として急速に広がっており、引き続き危険で、多くの人が感染する可能性がある。我々は、すべての国とすべての人々に対し、警戒を緩めないことを求める」と述べ、規制をあまりにも早く解除しないように警告しました。

ウォーターエイド活動国の状況

多くのウォーターエイドの活動国では、依然として感染者が増加しています。 パプアニューギニア、東ティモール、ミャンマー、カンボジアでは、新たな感染者数は落ち着いており、日々の新たな感染者数はゼロまたは1人か2人となっています。ミャンマー政府は「ステイホーム(家で過ごそう、外出自粛)」の規制を解除しました。

再開に先立ってリベリア・モンロビアの空港にウォーターエイドが設置した手洗い設備
WaterAid Liberia
再開に先立ってリベリア・モンロビアの空港にウォーターエイドが設置した手洗い設備

アフリカ:感染者が指数関数的に増えるなか一部の国際空港が再開

アフリカで報告された感染者数は、2週間前の約21万6,000人から33万7,315人に増加しました。南アフリカの感染者数が11万1,800人で、アフリカ全体の感染者数の約3分の1を占めています。アフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)によると、その次に感染者が多いのが、ナイジェリア(約22,000人)とガーナ(約1万4,000人)です。

アフリカの感染者数は、世界全体の3%強ですが、その数は指数関数的に増加しています。感染者数が最初の100,000人に達するまで3カ月かかりましたが、次の10万人に到達するまでには18日、次の10万人へは10日でした。なお、WHOは、アフリカのすべての国が現在、自国で感染の検査を行う能力を持っていると発表しました。

若年層の人口が多いこと、過去に感染症に対処した経験、多くの国が早期にロックダウンを実施したことが、アフリカでの死亡率がヨーロッパほど高くない理由として挙げられています。しかし、今後、ロックダウンの影響が表れることが危惧されています。多くの国が、経済活動の再開と広がる感染への対処、市民の封鎖疲れへの対応に悩んでいます。

モザンビークは、人々が物理的な距離を保つことやマスクを着用することに関して、「より厳しい」措置を課すと警告しています。エチオピアは、2人の医療従事者が感染により命を落とした後、首都アディスアベバを閉鎖しました。セネガルはマスクの着用を義務付けていますが、商店やスーパーマーケット、モスクは再開されました。

タンザニアとルワンダは、国外からの観光客を受け入れる準備ができていると発表し、リベリアは6月28日に国際空港を再開する予定です。ニジェールも7月1日に国境を再開する予定です。一方、ウガンダは、国境地帯で新型コロナウイルス感染症の検査を行い、陽性の反応が出た外国人の入国を拒否しています。その多くはトラック運転手です。

タンザニアは6月29日にすべての学校を再開します。タンザニア政府は新型コロナウイルス感染症の感染がゼロになったと主張していますが、4月29日以降、感染に関する報告が行われていません。

アジア太平洋:インドで感染者の増加が続き、ネパールは緩和に慎重

インドでは一貫して多くの感染者が報告されていて、感染者数は累計で約50万人を超えました。1万7,300人以上の新たな感染者が報告された日もあります。亡くなった人の数は、2週間前は8,800人でしたが、約1万5,300人になりました。感染者の多くは大都市で発生しており、ニューデリーおよびマハラシュトラ、タミル・ナド両州の感染者数が、国内の感染者数の60%近くを占めています。インド政府で新型コロナ対策に当たる担当者の1人は、数字ではなく、死亡を防ぐことに焦点が当てられるべきだと発言しました。

パキスタンでは約19万2,000人、バングラデシュでは約12万6,000人の感染者が確認されています。両国とも、経済活動の再開と広がる感染への対処との両立を図っています。バングラデシュはインドのやり方に従っていて、感染者数に応じて地域を、赤、オレンジ、緑に分けて対応しています。ネパールでは1万1,000人以上の感染者が出ていて、政府は規制緩和に対し、注意深く、段階的なアプローチを取っています。

ウォーターエイドの各国での活動

各国のウォーターエイドのチームは、必要不可欠な手洗い設備と衛生に関する知識・情報をコミュニティに届けるため、活動を続けています。多くの活動国で事務所を再開していますが、ウォーターエイドでは引き続き、安全確保と支援継続を両立する方法を模索しなから、活動を続けていきます。

ウォーターエイド・ナイジェリアの現地代表は、水・衛生の改善について議論するため、同国の水資源大臣とともにテレビ番組に出演しました。また、ウォーターエイドの東アフリカ地域ディレクターも、地域の衛生の課題について議論する別のテレビ番組に出演しました。

シエラレオネでは、3つのコミュニティラジオ局で毎週、新型コロナウイルス感染症についての情報を発信していくことになりました。地元の言葉でメッセージを広めるために「町の情報発信人」を募集しています。

リベリアでは、国際空港の再開に先立って空港内に10基の手洗い設備を設置し、空港スタッフへの説明と研修を行いました。また、学校向けの手洗い設備を設計しました。この設備は、政府がすべての学校での使用を承認しています。

タンザニアでは、ダルエスサラーム大学と共同で、利用者が多い市内の4つのバスステーションに非接触式の手洗い設備を設置しました。

シエラレオネでも、15のコミュニティと3つのヘルスセンターに衛生用品を提供しました。

ウォーターエイド・シエラレオネが提供した衛生用品
WaterAid Sierra Leone
ウォーターエイド・シエラレオネが提供した衛生用品

南アフリカ地域事務所は、ユニセフ、WHO、南部アフリカ開発共同体(SADC)とともに、SADCの地域衛生戦略の策定に協力しました。マリでは、保健医療従事者向けの感染予防・管理(IPC)訓練に新型コロナウイルス感染症に関する要素を含めるため、保健省に協力しました。

ミャンマーでは、現地パートナー(Myaing Youth Development Organisation)と連携し、マグウェ地域ミャイン地区の村をターゲットとして低コストで簡単に設置することが可能な簡易手洗い装置(ティッピータップ)の導入を推進しています。

ミャンマーで現地パートナーのMYDOのスタッフからティッピータップの作り方について聞く住民たち
WaterAid Myanmar / MYDO
ミャンマーで現地パートナーのMYDOのスタッフからティッピータップの作り方について聞く住民たち

ティッピータップの作り方を村の人々に紹介し、村の住民たちが自分たちでティッピータップを作り、設置することで、コミュニティ内で手洗い衛生習慣が根付くことを期待しています。

ミャンマーではまた、検疫所で清掃作業にあたる人たちに防護具を提供しました。

検疫所で清掃作業にあたる人たちへ対する、防護具やゴム手袋、マスクなどの提供
WaterAid Myanmar
検疫所で清掃作業にあたる人たちへ対する、防護具やゴム手袋、マスクなどの提供

パキスタンでは、現地パートナー(National Rural Support Programme)と連携して、ハイデラバード市内に手洗い設備を設置しました。

バングラデシュでは、コミュニティヘルスワーカーによる衛生啓発の取り組みを支援しました。この呼びかけは、2万5,000以上の世帯、モスク、寺院、スラムを対象に実施されました。また、公衆トイレの備品やサービスに関する調査を行いました。

インドでは、衛生と衛生作業員に関する2つの迅速調査を実施しました。また、自動車やリキシャ(自転車タクシー、三輪タクシー)向けに手洗い設備「WASH on Wheels」を提供しています。パキスタンでは8万件近くの啓発イベントを実施してきましたが、感染者が増加する中、拡声器を使って呼びかける方針に切り替えました。

WASH on Wheelsのキャンペーンで手洗い設備を取り付けたリキシャ
WaterAid India
WASH on Wheelsのキャンペーンで手洗い設備を取り付けたリキシャ

ネパールでは、予防接種プログラムと連携した衛生習慣の変化のための取り組みの一環として、政府とともに保健医療従事者向けのトレーニングを実施しました。

特設ページ

ウォーターエイドの新型コロナウイルス感染症に関する取り組みは、以下のページからご覧いただけます。

手洗いで新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ

 

新型コロナウイルス感染症の流行を防ぐため、ウォーターエイドは、手洗いなど衛生習慣の普及促進の取り組みを拡大しています。この取り組みを継続、さらに拡大し、より多くの人々が手洗い習慣を実践できるよう、皆さまのご協力をお願いいたします。 

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