【活動レポート・ブログ】新型コロナウイルス感染症対策として、衛生に関する行動を変える

WaterAid Zambia launches universal hand washing facility, Covid-19 response. Zambia, May 2020.
Image: WaterAid Zambia

新型コロナウイルス感染症から身を守る第一の防御策としての衛生習慣

ウォーターエイドは長年にわたり、最も費用対効果の高い公衆衛生対策であるとして適切な衛生習慣を推進してきました。適切な衛生習慣によって、世界的な感染症の拡大は抑えられ、人々は安心して暮らすことが可能になります。新型コロナウイルス感染症が、世界中の保健医療体制と人々の生活を脅かし続けている今、ウォーターエイドは、衛生習慣、特に石けんによる手洗いを、感染症から身を守る第一の防御策に位置付けています。

ウォーターエイドには、根拠にもとづく、また、衛生に関わる行動に着目したアプローチで、長年にわたって、大規模な「手洗い等、衛生習慣に関する行動の変容」を促進するプログラムを実施してきた経験があります。今回、この経験と団体の専門性を活かし、新型コロナウイルス感染症拡大防止において重要な役割を果たしてきました。

ウォーターエイドの新型コロナウイルス感染症対応

ウォーターエイドは、多くの国で実施していた既存の衛生に関する行動変容プログラムを活かし、新型コロナウイルス感染症に迅速に対応してきました。第1段階としては、新型コロナウイルス感染症の特徴をふまえ、ソーシャルメディアやデジタルメディア、マスメディア等といった「非接触型」の手法を使って、衛生に関する行動変容の促進に取り組んできました。また、すべての人々が利用可能、かつ手で触れる必要のない手洗い設備を開発し、公共の場や公共施設への設置を進めています。

第2段階としては、メディアを活用したキャンペーンを継続しつつ、「Do No Harm(害悪を及ぼさない)原則」のもと、従来のコミュニティにおける衛生習慣の促進を強化します。ウォーターエイドは、南アジア、アフリカ、中南米の28か国、9900万人を対象に、新型コロナウイルス感染症対応に関する支援を届けることを目指しています。

衛生行動変容への取り組みの振り返り

このレポートでは、ウォーターエイドがどのように衛生キャンペーンを進めてきたかを振り返っています。政府との連携や感染状況に合わせた段階的アプローチの導入、そして当初の緊急対応から長期的かつ持続的な支援に移行しました。同レポートでは、ウォーターエイドの活動を以下のテーマ別に分析し、教訓に基づいた提言をまとめています。

  • 非接触型の手法を用いた大規模な衛生キャンペーン: マスメディア、デジタルメディア、ソーシャルメディアを活用した衛生習慣の促進
  • 衛生習慣の促進から誰も取り残さない :ジェンダーや年齢、障害にかかわらず、すべての人々にとってアクセス可能な衛生プログラムを確立し、社会経済的立場を超えたすべての人々に衛生習慣を身近にする
  • イノベーションを活かした衛生行動変容 : 画期的な手洗い設備や衛生キャンペーンツールの開発
  • 衛生習慣の促進を他分野に統合:保健や予防接種、教育、民間セクターの取り組みに、衛生習慣の促進を組み込む
  • ウォーターエイドの衛生プログラムの評価と学びの共有
  • 国、地域、国際レベルにおける効果的な連携とネットワーク構築
  • 新型コロナウイルス感染症以降も衛生習慣が持続するように:ウォーターエイドが直面した課題への対応と今後の展望

新型コロナウイルス感染症をきっかけに、人々は石けんによる手洗いというシンプルな行動が、多くの命を救い、未来の感染爆発の抑止につながることを再認識しています。また、新型コロナウイルスによって、基本的な社会サービスへのアクセスの格差、そして手洗いの実践を困難にする障壁も明らかになりました。ウォーターエイドは引き続き、クリエイティブな手法で人々の衛生に関する行動変容を促し、手洗い設備と石けんを届けていくと同時に、政府に対して、すべての人々が安全な水を利用できるようにする責任を果たすよう働きかけていきます。石けんを使った手洗いが、かつてないほど注目を集めている今、ウォーターエイドは、すべての人々の衛生に関する行動が変わること、そしてすべての人々が手洗い習慣を身につけることを目指しています。

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