【活動レポート・ブログ】インド:アンドラ・プラデシュ州にて、女性や子供たち、コミュニティ自らが水・衛生改善に取り組む

Image: WaterAid/ Srishti Bhardwaj

ウォーターエイドは、インドにおいて13州で活動しています。そのなかの1つ、アンドラ・プラデシュ州は、インドの南東部沿岸に位置し、約5000万人の人々が暮らしています。ベンガル湾に面し、人口の約6割が農業に従事するなど農業が盛んな地域ですが、モンスーンや干ばつの影響を受けやすく、持続可能で安定的な水利用に大きな課題を抱えています。都市人口は全体の3割ほどですが、このうち、水道システムを利用できるのは48%に過ぎません。安全でない水供給システムと不十分な衛生設備は、住民にとって大きな健康リスクと危険要素となっています。

ウォーターエイドは、この地域における持続可能な水利用を実現するために、コミュニティの人々や学校に通う子供たち自らが、安定的な水資源の確保に取り組めるように支援しています。

 

村水衛生委員会のメンバーとして活躍するシャシレカさん 

Shashirekha, a water woman, collects water from a piped water supply for drinking at her house in Motupalayam village. PV Puram, Chittoor, Andhra Pradesh, India. March 2021.
Image: WaterAid/ Srishti Bhardwaj

「以前は水がなく、生きていくのが本当に大変でした。私たちのコミュニティは、多くの問題や苦難に直面してきました」と語るシャシレカさん(20歳)は、村水衛生委員会のメンバーとして水資源管理を担当しています。シャシレカさん自身は家族を助けるために、中等学校で学校を辞めざるを得ませんでしたが、今、清潔な水を利用できるようになり、村の子供たちが 学校へ通えていることを嬉しそうに話します。
「ウォーターエイドの支援によって、貯水タンクと掘削井戸が導入され、生活は劇的に変わりました。今日、各家庭で水道が使えるようになり 、水不足が解消されたことを、誇りに思います。子供たちが学校に通え、人々が不自由なく水を使うことができるようになり、嬉しいです。みんな自分の家でお風呂や料理に水を使えるようになりました」と語ります。 

学校における水・衛生改善にとりくむヴァイシュナビさん 

「以前は、毎日バケツ2杯の水を学校に持っていかなくてはなりませんでした。みんな1日中喉が渇いていました」と語るヴァイシュナビさんの学校には、トイレも給水設備もなく、体調を崩す子供たちも少なくありませんでした。

今、学校には、給水設備、手洗い場、トイレ、月経衛生管理のための施設や、地下水を増やして持続可能な水利用を可能にするための雨水涵養設備などが設置され、衛生状態は劇的に改善されました。以前は月経中、トイレに行くことを避けるために水を飲まずに過ごしていたヴァイシュナビさん。トイレを我慢したり、ナプキン交換ができないことでひどい発疹などの肌トラブルに見舞われたりすることもありました。

K Vaishnavi (15) washes her hands at a handwashing station at her school in Rajagopalapuram village in Satyavedu, Chittoor, Andhra Pradesh, India. March 2021.
Image: WaterAid/ Srishti Bhardwaj

「今は、キレイな水も、月経衛生の設備もあるので、本当に幸せで、力が湧いてきます。学校では、定期的に水質検査が行われていますし、安全な飲料水も手に入るようになって、子供たちが汚染された水を飲んで病気になることもなくなりました」

ヴァイシュナビさんは、生徒会で女子生徒保護委員長に任命され、学校で女の子たちが水利用に関して抱える不安や懸念を先生に伝えたり、学校内で啓発活動を行ったりすることで、学校における水・衛生の改善に積極的に取り組んでいます。

日々、活動をご支援くださる皆さまのお力添えによって、こうしてウォーターエイドは水・衛生プロジェクトを実施し、さらには地域の人々が自らの水・衛生の改善・維持に取り組むしくみをつくることで、持続可能な水利用を実現しています。

ウォーターエイドジャパンはこの夏、深刻な水・衛生危機に直面しているインドの人々の「夢」を叶えるため、皆さまにご寄付を呼びかけています。安全な水を切に願う人々に水と希望を届けるため、夏募金に、どうかご協力をお願いします。

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