【プレスリリース】ネパールで大規模洪水発生ー国際社会は一刻も早く世界の水危機への取り組みを

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9 October 2024
Image: WaterAid/ Ram Saran Tamang(2023年8月撮影写真)


2024年9月末、ネパール各地で大雨による大規模洪水が発生しました。これによって、200名以上が亡くなったほか、数百名が行方不明、数千人が避難を余儀なくされています。

今年、ネパールや近隣諸国では、気候変動による暴風雨や洪水、熱波の頻度と深刻度が増しており、水に関連する災害が頻発。これによって、何百万人もの人々がその壊滅的な影響に対して脆弱な状況に置かれています。 

ウォーターエイドは、社会福祉協議会、地域団体、開発パートナーなどと連携し、バグマティ州の被災した郡で水質浄化剤を配布するなど、命にかかわる病気のまん延を防ぐための支援活動を開始しました。

ウォーターエイド・ネパールのカントリー・ディレクター、スダルシャン・ネウパネは、次のように述べています。 

「この水危機に取り組むにあたって重要なのは、気候変動の影響に対して最も脆弱である人々が、気候変動の原因には最も関与していないという事実を認識することです」

「状況をこれ以上悪化させないためには、政府が安全な飲料水やその他の生活必需品を最も必要としている人々に届けることに注力しなければなりません。同時に、長期的な視野に立ち、コミュニティが清潔な水を利用できるようにし、清潔な水が病気のまん延を防ぐ役割を果たすことを理解しなければなりません」 

「人道危機の最中にあるネパールを支援し、洪水の防止など持続可能な水問題の解決策を推進することで、将来のこのような災害を防ぎ、ネパールの人々が安全に生活を再建できるよう力を合わせましょう」 

ウォーターエイドは、ネパール政府に対し、下記を呼びかけています。 

  • 被災したコミュニティに対し、安全な飲料水、食料、シェルター、医療支援、さらに家を失った人々のための一時的な避難所設置など、緊急援助を迅速に実施すること 
  • 清潔な水への緊急ニーズに対応すること。また、病気のまん延を防ぐために、住民に対し手洗いなどの衛生行動の実践を周知すること

また、国連気候変動枠組条約第29回締約国会合 (COP29)に向けた準備が進められるなか、ウォーターエイドは各国のリーダーに対し、気候変動の適応資金をより多く確保し、かつ、その資金を気候危機の影響を最も受けているコミュニティに迅速に届けるよう強く求めています。 

ウォーターエイド・ネパールのネウパネは次のように結論づけています。 

「ネパールの状況は、世界のリーダーたちに対する、気候変動への適応と災害への備えを最優先すべきだという緊急の警鐘です」 

「水問題を優先しなければ、どのような世界的な変革の努力も効果を発揮することはできません。清潔かつ十分な量の水がなければ、人々はこの世界に適応することができないのです」