【プレスリリース】10月15日は「世界手洗いの日」:手洗いは命を守り、保健医療システムのコスト減につながる

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14 October 2023
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Image: WaterAid/ Drik/ Farzana Hossen

10月15日の「世界手洗いの日」を前に、水・衛生専門の国際NGOウォーターエイドは、石けんを使った手洗いがもたらす効果を過小評価してはいけない、と発信しています。手洗いには、世界中で保健医療システムへの負担を軽減するだけでなく、将来起きうるパンデミックを含む感染症の予防、医療コストの削減につながり、人々の命を救います。

石けんを使った手洗いは、家庭、職場、学校、保健医療施設などいかなる場所でも、人々を感染症の流行から守り、スーパーバグ(多くの薬剤に耐性を持つ細菌)を抑制し、自分自身や大切な人を守ることができる、最も費用対効果が高い方法のひとつです。

手洗いはどのように命を守り、医療費のコスト減につながるのでしょうか?

  • 石けんを使った手洗いは、5歳未満の子供が下痢性疾患にかかるリスクを30%減らすことができます[i]
  • 衛生習慣の取り組みに1ドル使うごとに、医療費15ドルの節約につながります[ii]
  • 家庭での手洗い習慣がすべての人に普及すると、年間450億ドルの純益が生まれます[iii]

このように、衛生習慣の促進に関する計画の実施を含め、安全に管理された水、トイレ、衛生習慣に資金と拠出することで、最大21倍にも及ぶ費用対効果を生み出すことができると考えられています[iv]。

手洗いに関する統計データ

  • 20億人(4人に1人)が、家庭において石けんと水の両方を備えた手洗い設備を利用できません[v]
  • 6億5300万人が、自宅に手洗いをする場所がない環境で暮らしています[vi]
  • 世界の保健医療施設の半数に、トイレの周辺や治療の現場に手洗い設備がありません[vii]
  • 世界の43%の学校には、手洗い用の石けんと清潔な水がなく、4億8,000万人の子供たちが手洗い設備のない、あるいはあっても適切に機能していない学校に通っています[viii]
  • 不十分な手洗いが原因で年間38万4,000人が下痢で命を落としています[ix]
  • 石けんによる手洗いを促進することにより、急性呼吸器感染症が17%減少します[x]

解決策

世界中に手洗いを普及させることは実現可能なことである一方、これを達成するためには、コラボレーションとコミットメントが不可欠です。

ウォーターエイドは、「世界手洗いの日」を迎えるにあたり、ドナーや政府に対して、世界中のどこでも、そして誰もが、家庭で石けんと水を使って手洗いをできるようにするという目標を達成するために必要な資金を提供し、アクションを起こすよう呼びかけています。具体的には以下のことを求めています: 

  • 国レベルの手指衛生戦略の策定・実施
  • 手指衛生プログラムへの資金の増額
  • 効果的な手指衛生行動変容プログラムの策定、およびそのプログラムの大規模な実施 
  • セクター間での衛生習慣に関連する支出の追跡調査

 持続可能な開発目標(SDGs)の期限である2030年までに、「すべての人に水、トイレ、衛生習慣を」という目標を達成するためには、現在の進捗率を3倍にする必要があります[xi]。

新型コロナウイルス感染症への対応や将来のパンデミック予防への取り組みを含め、あらゆる開発分野の課題解決に衛生が不可欠である、ということを確立すれば、手洗いがすべての人の日常生活の一部となり、世界中で人々の命を救うことに繋がります。

ウォーターエイドの水・衛生シニアマネージャーであるオム・プラサド・ガウタムは、次のように述べています:

「手洗いがなければ、世界中の命が危険にさらされます。

私たちは、新型コロナウイルス感染症のまん延を経て、世界がいかに相互につながっているかを目の当たりにしてきました。病気やウイルスは国境を越えて、瞬く間に広がります。

『世界手洗いの日』を迎えるなか、私たちウォーターエイドは、ドナーや政府に対し、世界中の人々が健康的な日常生活を継続し、また地域の保健医療サービスやコミュニティが崩壊することなく続くよう、必要な資金を拠出するよう呼びかけています」

支援の現場から:パキスタン、シンド州ダドゥ県グル・ムハンマド・ガディに住む10歳のアスマさん

アスマさんは、2022年に発生した大洪水を経験。アスマさんが通う学校において、ウォーターエイド・パキスタンとパートナー団体によって、洪水後に実施された水・衛生設備の改修・修理について、自身の経験と思いを語ってくれました。

「2022年の洪水で、私たちの学校のトイレは大きな被害を受け、使えなくなりました。そのため、私や同級生の女の子たちは学校に行くことに抵抗を覚えるようになりました。

洪水で学校は数か月間閉鎖され、再開後もさまざまな困難に直面しました。飲料水も不足し、貴重な学びのときを失い、学校にいることの喜びを感じられなくなった気がしました。

しかし、ウォーターエイドがこの困難な時期に私たちを支援してくれました。ウォーターエイドは、トイレを修理し、十分に水が出る手洗い場を設置してくれました。ようやく学校に適切な設備が整ったのです。

それ以来、私たち学校に通う子供たちは、学校だけでなく家庭でも手洗いを習慣にしています。学校に通うことの楽しみ、学ぶことの楽しみを再び得たような気がします。温かい支援を受けたことに感謝し、明るい未来を楽しみにしています」


[i] Wolf J, et al. (2022). Effectiveness of interventions to improve drinking water, sanitation, and handwashing with soap on risk of diarrhoeal disease in children in low-income and middle-income settings: a systematic review and meta-analysis. Lancet. Vol 400 (10345), pp 4859. Available at: pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35780792/ (accessed 10 Oct 2023).

[ii] UNICEF/WHO (2021). State of the World’s Hand Hygiene: A global call to action to make hand hygiene a priority in policy and practice. Available at: who.int/publications/i/item/9789240036444 (accessed 26 Sep 2023).

[iii] WaterAid. (2021) Mission-critical: Invest in water, sanitation and hygiene for a healthy and green economic recovery. Available at: https://washmatters.wateraid.org/publications/mission-critical-invest-water-sanitation-hygiene-healthy-green-recovery#:~:text=The%20resulting%20report%2C%20Mission%2Dcritical,net%20benefits%20of%20%2486%20billion (accessed 11 Oct 2023).

[iv] WaterAid. (2021) Mission-critical: Invest in water, sanitation and hygiene for a healthy and green economic recovery. Available at: https://washmatters.wateraid.org/publications/mission-critical-invest-water-sanitation-hygiene-healthy-green-recovery#:~:text=The%20resulting%20report%2C%20Mission%2Dcritical,net%20benefits%20of%20%2486%20billion (accessed 11 Oct 2023).

[v] WHO/UNICEF (2023). Progress on household drinking water, sanitation and hygiene 2000-2022: special focus on gender. Available at: washdata.org/reports/jmp-2023-wash-households-launch (accessed 10 Oct 2023).

[vi] WHO/UNICEF (2023). Progress on household drinking water, sanitation and hygiene 2000-2022: special focus on gender. Available at: washdata.org/reports/jmp-2023-wash-households-launch (accessed 10 Oct 2023).

[vii] WHO (2023). Progress on WASH in health care facilities 2000–2021: special focus on WASH and infection prevention and control. Available at: who.int/publications/i/item/9789240058699 (accessed 10 Oct 2023).

[viii] WHO/UNICEF (2022). Progress on drinking water, sanitation and hygiene in schools: 2000-2021 data update. Available at: washdata.org/reports/jmp-2022-wins (accessed on 11 Oct 2023).

[ix] WHO (2023). Burden of disease attributable to unsafe drinking-water, sanitation and hygiene: 2019 update. Available at: who.int/publications/i/item/9789240075610 (accessed 11 Oct 2023).

[x] WHO (2023). Burden of disease attributable to unsafe drinking-water, sanitation and hygiene: 2019 update. Available at: who.int/publications/i/item/9789240075610 (accessed 11 Oct 2023).

[xi] Progress on household drinking water, sanitation and hygiene 2000-2022. World Health Organization and the United Nations Children’s Fund (UNICEF), 2023. https://washdata.org/reports/jmp-2023-wash-households