【プレスリリース】ウォーターエイドは WHO総会における水・衛生の重要性を認める決議の採択を歓迎します

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WaterAid Japan
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21 May 2020
In
衛生習慣/Hygiene
Doctors prepare to do a ceasarian section on Christina Emmanuel, 18, after her labour was progressing too slowly, at Kiomboi Hospital, Iramba, Tanzania, June 2015.
Image: WaterAid/ Anna Kari

5月18日、19日の両日、世界保健機関(WHO)の総会がオンラインで開催され、新型コロナウイルス感染症に関する対応について議論されました。その結果、総会の決議に、水と衛生の重要性や、現在、水・衛生へのアクセスに大きな格差があることを認める内容が含まれることになりました。ウォーターエイドは、この決定を歓迎します。

新型コロナウイルス感染症に立ち向かうための最も基本的な手段の一つが、石けんと清潔な水で手を洗うことです。しかし、自宅に石けんと水を使える手洗い設備のない人の数は、貧困層をはじめ、世界で30億人に上ります。また、世界では5つの保健医療施設のうち2つで、医師や看護師、助産師らが石けんと水が使って手を洗うための設備がありません。WHO総会に先立ちウォーターエイドは、こうした深刻な状況を発信し、その改善を求めてきました。

WHO総会の結果を受け、ウォーターエイドは、ウォーターエイド・イギリスのCEO、ティム・ウェインライトによる以下の声明を発表しました。

「私たちは、WHO総会が新型コロナウイルス感染症対応に関する決議に、清潔な水と衛生の重要性を含めること、また、これらの基本的なサービスへのアクセスに関し、現在、大きな格差があることを認める内容を含めることを歓迎します」

「現在、30億人が自宅で石けんと水を使って手を洗うことができず、開発途上国の多くの医師や看護師は、最も基本的な衛生行動を実践することが困難な保健医療施設で働いています」

「にもかかわらず、援助国・援助機関が表明した支援策のほとんどが、衛生改善への資金の拠出を含んでいません。ワクチンと治療薬が、このパンデミック(世界的な流行)を終わらせるために重要なことは明らかです。しかし、それらが利用可能になるまで、新型コロナウイルスに対して今実践することが可能な唯一の防御策は、予防です」

「水・衛生、効果的な手洗いのために資金を拠出することは、新型コロナウイルス感染症の流行を防ぎ、命を救うために重要です。ウォーターエイドは、すべてのWHO加盟国に対し、連帯して新型コロナウイルス感染症に立ち向かい、透明性と一体性のあるWHOの対応を支持し、清潔な水と衛生への資金拠出を優先するよう要請します」

ウォーターエイドの支援で給水設備が整備されたタンザニアのキオンボイ病院。トップの写真は整備前、くみ置きしていた水での手洗いを洗っていた
ウォーターエイドの支援で給水設備が整備されたタンザニアのキオンボイ病院。トップの写真は整備前、くみ置きしていた水での手洗い
Image: WaterAid/ James Kiyimba

ウォーターエイドが求めた7つのアクション

WHO総会に先立ち、ウォーターエイドは、各国政府などに対し、以下の7項目からなる「新型コロナ感染症への対応と復興のための重要なアクション」を発表していました。

  1. 2019年のWHO総会で採択された決議に従い、保健医療施設での水・衛生サービス、設備、物資、清掃や補助業務に携わる人を含む現場のすべての保健医療従事者のトレーニングに緊急に資金を拠出すること
  2. 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を抑えるための重要な取り組みとして、すべての人のニーズに合った、正しい衛生習慣などに関する全国的なキャンペーンを開始すること
  3. 新型コロナウイルス感染症に関連した政府のモニタリング項目の中に、保健医療施設やコミュニティ、最もリスクが高い人々の水・衛生へのアクセス状況を示す指標が含まれること
  4. 水・衛生を担当する省庁が政府の新型コロナウイルス対策の中核で機能し、最もリスクが高いコミュニティの水・衛生へのアクセスの状況や、水・衛生に問題のある保健医療施設について把握していること
  5. 新型コロナウイルス感染症に関するWHO年次総会の決議に、持続可能な水・衛生への資金拠出が優先事項として盛り込まれること
  6. 感染拡大への対応や備えに関する国の基準やプロセスの中に、水・衛生のデータやモニタリングを盛り込むこと。そのデータやモニタリングには、保健医療施設の水・衛生の状況に関するジョイント・セクター・レビュー.やWHO総会に対する2年ごとの報告を含む
  7. 開発援助機関や多国間組織は、コミュニティや保健医療従事者のための衛生サービスに対する財政支援を緊急に増やす必要がある。感染拡大への対応と備えを強化し、最もリスクの高い人々をはじめ、すべての人に持続的にサービスを提供できるようにするため、水・衛生に関する政府開発援助(ODA)は早急に倍増される必要がある

WHO総会は終了しましたが、ウォーターエイドは今後も現場で水・衛生、手洗いをはじめとした衛生習慣の改善に取り組むとともに、改善の必要性と現状についての発信も続けていきます。

 

関連情報

【プレスリリース】新型コロナウイルス対策で手洗い設備のない30億人に水・衛生を

WHO総会を受けたウォーターエイド・イギリスCEO、ティム・ウェインライトの声明のオリジナル(英文)
WaterAid statement on the World Health Assembly 2020 Resolution 

WHO総会に向けたアクションプランなど
Hygiene: the missing first line of defence against COVID-19(英文)

 

特設ページ

ウォーターエイドの新型コロナウイルス感染症に関する取り組みは、以下のページからご覧いただけます。

手洗いで新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ

 

新型コロナウイルス感染症の流行を防ぐため、ウォーターエイドは、手洗いなど衛生習慣の普及促進の取り組みを拡大しています。この取り組みを継続、さらに拡大し、より多くの人々が手洗い習慣を実践できるよう、皆さまのご協力をお願いいたします。 

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