ナイジェリア政府が水と衛生の危機に取り組む行動計画を発表

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12 November 2018
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ウォーターエイドは、ナイジェリア連邦政府による水と衛生危機に対する緊急対策を盛り込んだ国家行動計画の発表を歓迎します。

ナイジェリアはサハラ以南アフリカ最大の経済大国でありながら、3人に1人は自宅近くで清潔な水を使用できず、また、3人に2人は適切なトイレを家庭で使用することができません。その結果、不衛生な水や衛生設備、不十分な衛生習慣を原因とする下痢症によって、毎年約6万人の5歳未満の子供たちが命を落としています。

ナイジェリアでは同国北東部を中心に活動するイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」との戦闘で多くの人たちが亡くなっていますが、水と衛生の危機的状況によって命を落とした人口はそれを上回ります。また、衛生設備が整備されていないことがナイジェリア経済に与える損失は、年間約33.8億米ドル-国内総生産(GDP)の 0.9%相当に上ります。

ウォーターエイド・ナイジェリア事務所代表 チチ・アニアゴル・オコイエ は次のように語ります。

「3人に1人は清潔な水を、3人に2人は適切なトイレを家庭で使用することができない現状において、この水と衛生の危機的状況を打開するには強い政治的意思が必要です。ウォーターエイドは、ムハンマド・ブハリ大統領とナイジェリア連邦政府が発表した行動計画を、そして今こそ必要とされている政治的意思を心から歓迎します。国家行動計画は、持続可能な開発目標(SDGs)の『目標6:安全な水とトイレを世界中に』を実現するうえで非常に画期的な決断であり、今後はさらにナイジェリア国内の各州政府が連邦政府に続いて行動計画を策定・推進していくことを期待しています。」

ブハリ大統領は、水と衛生に関する非常事態宣言および行動計画の発表に関するスピーチの中で、水道サービスを利用できる人口の割合(1990年:32%、2015年:7%)および改善された衛生設備を利用できる人口の割合(1990年:38%、2015年:29%)がともに減少しているなど、水・衛生サービスが後退している現状に言及しつつ、ナイジェリア連邦政府が水セクターの成長発展に全力で取り組むことを約束しました。

ブハリ大統領はスピーチの中で以下のように述べました。

「私たちの国は、広大であり、かつ急速に都市化が進んでいますが、近年の水・衛生の数字を見ると、この国の水・衛生の需要にこたえるためには、全レベルの政府が一丸となって取り組みを加速させる必要があります。」

【ナイジェリアにおける水・衛生環境の現状】

  • 約1億2,300万人が自宅に基礎的なトイレがありません。
  • 約6,000万人が自宅付近で清潔な水を使用できません。
  • 約1億6,600万人が石けんで手を洗う手段がありません。
  • 学校の約50%で基礎的なトイレが設置されていません。
  • 保健医療施設の約30%で現地に給水設備がありません。

衛生環境の改善状況は後退しています。都市部では、人口増加にトイレの設置が追い付いておらず、1人が適切なトイレを家庭で使えるようになったとしても、別の2人が新たにトイレを待つ人口に加わる、という状況です。

2030年までに貧困に終止符を打ち、持続可能な社会の実現などを定めたSDGsの達成を目指して今回発表された国家行動計画は、1年半の緊急計画から始まり、その後に5年間の復興計画、そして13年にわたる再生戦略が続きます。その中でナイジェリア連邦政府および州政府が持続可能な水・衛生設備を確立するための制度上ならびに資金的な基盤をつくり、2030年に向けた取り組みを加速すると表明しています。

Credit: WaterAid