ユニセフ・WHOの報告で、9億5,000万人近くが野外排泄していることが明らかに

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1 July 2015

ユニセフと国際保健機関(以下、WHO)が6月30日に発表した新しい数値によって、現在の進捗ペースのままではサブサハラ・アフリカのすべての人が衛生的なトイレを使えるようになるまでに300年近くかかること、そして18億人の人々が、衛生的で手頃な価格の水を得ることができずに生活しなければならない危険があることが明らかになりました。

ユニセフとWHOは、ミレニアム開発目標の達成に向けたグローバルでの進捗を調査する、ジョイント・モニタリング・プログラムを実施しており、このたび定期的に発表されるアップデートの最終報告が発表されました。ミレニアム開発目標は、2000年から2015年までの15年間で、極度の貧困をなくすための国際的な枠組みで、安全な水とトイレにアクセスできない人の割合を半分にするという意欲的な目標も含まれています。

ミレニアム開発目標の達成期限が目前に迫っている今、水に関するターゲットは達成していますが、その達成度合いには大きな地域差があり、サブサハラ・アフリカでは支援の必要性が高く、衛生に関するターゲットについては達成からかけ離れた状況にあります。

世界中で6億5,000万人以上の人々が安全できれいな水を手に入れられず、24億人が基本的かつ衛生的なトイレのない生活を送っています。

今回のジョイント・モニタリング・レポートでは、安全な水と改善された衛生設備だけでなく、人々の衛生習慣についても分析しており、石けんと水を使った手洗い設備の数に着目しています。

世界銀行によって、手洗いは最も費用対効果が高く実行に移しやすい保健の取り組みであるとされていながら、、これまで評価や資金提供、調査はされてきませんでした。今回のレポートの中で、南アジアでは80%近くの人々が手洗いを実践しているのに対し、サブサハラ・アフリカの一部では0%に近いという統計が示されています。

WaterAid 副チーフエグゼクティブのギリシュ・メノンは話します。
「全体的な進捗は評価すべきですが、このデータは、世界の最貧困層にとっては非常に小さな変化しか生じていないことを示しています。国内、または国家間や地域間に、いまだ大きな格差があります。」

「安全な水とトイレのないコミュニティでは、人々が病気にかかる割合が高く、それが経済発展の妨げにもなります。子供たちは、学校の机に向かうよりも長い時間を水くみに費やし、親たちは収入を得るために時間を使えず、病院には防ぐことのできる水系疾患で苦しむ人々がたくさんいます。水に関する負担は、特に女性と女の子に重くのしかかります。水くみは女性と女の子の役割と認識されている地域が多く、また、安全でプライベートが確保されたトイレがないと、ハラスメントの危険性が高まります。」

「国連が9月に新しい開発目標を採択するにあたり、極度の貧困をなくす方法を明確にし、2030年までにより健康で持続的な世界をつくるために、水・衛生は鍵となるでしょう。このような基本的人権なくして、社会の発展はありえません。2030年までに世界中のすべての人が、すべての地域で、清潔な水と基本的なトイレを手に入れることは可能です。しかし、そのためには、この課題に熱心な政治的意思と目標達成のための資金が不可欠です。」

ユニセフ・WHOによる報告の要点:
・1990年のモニタリング開始時に比べ、インドにおける改善されたトイレの使用者数は2倍以上(18%から40%に増加)になりました。しかし、日常的に野外排泄を行っている人は5億6,000万人以上にのぼり、これは世界全体で野外排泄をする9億4,900万人の半数以上にあたります。

・1990年以来、後発開発途上国(国連の定義による)では人口増加にともない、基本的なトイレのない人々が40%以上増加している一方で、野外排泄を行う人の割合は半数以下に減少 しています。

・中国とインドの急速な発展が大きな要因となって、国連の安全な水に関する目標が達成されました。進捗の地域差が大きく、最貧困層の人々にとっては、非常に小さい改善結果となっています。

・パプアニューギニア、エクアドル、ギニアおよびアンゴラでは、人口の半分以下の人々しか改善された水にアクセスすることができません。さらにそれ以外の14か国も安全な水の普及率は60%以下のままです

・アフリカの7億人近い人々が基本的なトイレがなく、2億人以上が野外排泄を行っています。アフリカ最大の経済国で、最も人口が多いナイジェリアにおいては、アクセスの減少と野外排泄の増加という、状況の悪化が見られます。

・エチオピアでは、村落部における野外排泄の割合が100%から66%減り、現在では人口の1/3にまで改善されました。都市部においては、野外排泄はほぼなくなっています。ルワンダでも野外排泄根絶の取組みが行われ、基本的なトイレへのアクセスは3倍に増えました。

清潔な水と基本的な衛生設備、そして良い衛生習慣は、SDGsの草案のゴール6に明記されているように、より健康的で公正な世界をつくるために重要な要素です。WaterAidは、新しい開発目標において、水・衛生の指標が保健、教育、ジェンダーのゴールに含められるよう求めています。衛生設備についてはミレニアム開発目標の中で最も進捗が遅れており、また、衛生習慣は、公衆衛生において重要であるにもかかわらずまったく触れられていませんでした。このような失敗は2度と繰り返してはいけません。

最新数値情報
・1日におよそ1,400人の子供が、不衛生な水と衛生設備が原因の疾患で命を落としています。

・6億5,000万人以上(世界の10人に1人)が、清潔な水のない生活を送っています。

・およそ24億人(世界の3人に1人)が適切なトイレと衛生環境のない生活を送っています。

ユニセフ・WHOによる報告書の全文はこちら