ネパール地震におけるウォーターエイドの活動(2015.06.16版)
ネパールでの支援は時間との戦いです
1か月半前、巨大地震がネパールを襲いました。この地震によって、国が発展し人々が貧困から抜け出すのが、数十年先延ばされてしまったかもしれません。

ウォーターエイドは、ネパールの大地震で被害を受けた地域への水や衛生設備の支援を優先的に行っています。

現在、数十万の人々がテントや仮設住宅で生活しています。来月から始まるモンスーンによって、コレラや水媒介の病気の流行が懸念されています。

この家族は、地震の被害を受け、その場しのぎの住まいで生活しています。

最初の3週間、ウォーターエイドは、6万以上の水質浄化剤と1000本の水質浄化用液のボトルを配布しました。
水と衛生の状況
4月25日、ネパールはマグニチュード7.8の地震によって壊滅的な被害を受けました。その後も数百の小規模な余震が続いていましたが、2週間後には再びマグニチュード7.3という大きな地震が発生しました。現時点で8000人以上が亡くなり、17,000人以上の人が負傷したと言われ、50万戸近くの家が倒壊、もしくは住むことのできない状態です。
ウォーターエイドは1987年からネパールで活動を行ってきました。伝統ある緊急支援団体ではありませんが、ネパール事務所や多くの現地パートナーを通じて、水質浄化液や水質浄化剤、生理用品やおむつ、石鹸、バケツ、トイレの殺菌剤や、その他日々健康で快適に過ごすために最低限必要なものを届けてきました。
最初の3週間は、6万個以上の水質浄化剤と1,000本以上の水質浄化用液を配布しました。また、共同で使用するための水フィルター3つを、必要としている村へ提供したり、1,000個以上の衛生キット(石鹸や、その他健康と尊厳を守るのに必要な物資)や、経口補水塩(主に下痢、嘔吐、発熱等による脱水症状の治療に用いられる、食塩とブドウ糖を混合したもの)と棒状の石鹸をセットにした数千個のパッケージを提供したりしました。
また、ウォーターエイドは、緊急食糧の配布やターポリン(ビニール系素材よりも丈夫で汚れにくく、長持ちする布)・プラスチックシートの入手など非常にニーズの高い支援を行っているパートナー団体のサポートも実施。物資の到着次第、さらに数十万の水質浄化剤と数千の衛生キットを配布する予定です。
さらなる地震によるリスクの深刻化
2度目の大きな地震で地面が揺れ始めた時、私はラリットプール郡にある、カトマンズから車で45分ほどの小さな町シディプールのコミュニティヘルスセンターで、水質浄化剤、生理用品、おむつ、石鹸といった支援物資を提供しているところでした。
その地震はマグニチュード7.3で、最初の「巨大地震」より規模は小さかったのですが、トラウマを抱えるネパールの人々にとっては同じくらい恐ろしいものでした。私はウォーターエイドネパールのチームと、10日間にわたって既存のプロジェクトの被害状況に関する報告書を作成していたところで、その日は最終日になるはずでした。そのプロジェクトの中には、20年以上続けてきたものもありました。
現在も、数十万人がテントや仮設住宅で生活しています。テントや仮設住宅のほとんどがトタンの壁や屋根と木のフレームでつくられており、これからのモンスーンの季節に、コレラや水媒介の病気の流行が懸念されています。
10日間にわたって最も深刻な被害を受けた地域のいくつかを訪ねた際、地震が起こる以前ですら所得が少なかったのに、地震後さらに財産を失ってしまった家族にたくさん会いました。出会った人のほぼ全員が、共に避難所を修復し、広々と段になっているトウモロコシ、小麦、ジャガイモの畑を復活させていました。彼らの立ち直る姿には驚かされましたが、その先に待ち受ける困難は大きいでしょう。
前進の年
地震が起こる以前もネパールでは8人に1人が安全な水を利用することができず、3人に1人が基本的で衛生的なトイレを使用できない状況でしたが、徐々に改善されてきていました。
例えば、ネパールの野外排泄の慣習を終わらせるキャンペーンは成果を上げていました。地震が起こるちょうど1カ月前、ウォーターエイドネパールはラリットプール郡のレレ村で野外排泄がゼロになったことを祝ったばかりでした。山の中腹に位置するこの小さな村では、地域の有力者たちと共に、音楽をかけ、結婚式のようにお祝いをしました。
現在、レレ村のほとんどの建物が倒壊してしまいましたが、最近設置したセメントとレンガのトイレが、泥と石でできている家よりも多く地震に耐え、崩れずにいたことにとても驚きました。大きな打撃を受けた村の人々の健康で快適な生活の維持のために、少しは貢献できたと思います。
しかし地震の影響によって、水の供給は断続的で、かつ汚染されている可能性もあります。病気の流行拡大を防ぐために、下痢が数件発生した時点で、直ちに監視体制を敷く必要があります。適切な衛生設備がない状態で、大雨によって排泄物が少しでも水の供給元へ流れると、コレラや腸チフスを含む水媒介の病気が一気に広まります。たとえモンスーンの時期まで何カ月もあったとしても、夜に雨が降り始め下痢が流行するのは、大変な脅威なのです。
恐怖の先の損失
ほぼすべてのものを失ったとき、人としての尊厳を失っていると感じる多くの出来事が起こります。レレ村の少女や若い女性たちは、月経中の女性に対するあまりに耐えがたい扱いを改善しようと動き始めたばかりでした。
村の女性たちは、ウォーターエイドやパートナー団体から自分たちで洗濯できる生理用布ナプキンの縫い方を習っていました。そうやって彼女たちが作っていたものが、家や服、その他すべてのものと同様に失われたと知って、憤りを覚えました。
使い捨てのナプキンにかけるお金がないとき、彼女たちは最後の手段として衣服の切れ端を代用しますが、たいていの場合、プライバシーの守られた中でナプキンを変えたり、洗ったりできません。また、月経中は家族のために水をくみ食事を作ることが伝統的に禁じられている場合、誰が代わりにやるのか、はっきりしていません。
まだまだ支援が必要です
まだまだ、必要な支援はたくさんあります。
今では、ニュースのヘッドラインで地震が取り上げられることはなくなりましたが、ネパールに対する国連からの緊急支援は、4億2300万米ドルしか届けられていません。これは被害を受けた人々を救うために必要な額のわずか16%です。感染症の流行を防ぐのに重要な水・衛生システムを修復するだけでも、5870万米ドルが必要になると国連は推定しています。また、ネパール政府はインフラ設備を2年以内に立て直すと公言しましたが、水・衛生設備については言及されていません。
しかしこの美しい国が立ち直ろうとするのであれば、水や衛生設備が不可欠です。信頼できる安全な給水設備とトイレなしでは、復興はありえないのです。
ネパールの復興を支えるご支援はこちらからお願いいたします。
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