11/19 世界トイレの日に報告書「あふれかえる都市-世界のトイレの状況」を発表

on
18 November 2016
In
日本

7億人のトイレの問題であふれかえる都市

家やショッピングモール、最寄りの駅。日本に住む私たちの多くは、必要な時に近くでトイレを見つけるのは、そこまで難しいことではありません。しかしもしお手洗いに行きたくなったときに、安全に行けるトイレが見つからなかったら?

 

人の生活は今や都市型であると言えます。人類史上初めて、世界の人口の半分以上が町や都市、大都会に住んでおり、2050年までには3分の2まで膨れ上がるだろうと予想されています。

多くの新しい都市生活者、特に貧困層は、人で溢れかえり急速に拡大するスラムに行き着き、適切なトイレを利用できない環境で生活しています。こうした人々は世界の都市居住者のおよそ5分の1、今や7億人を超えています。 

報告書「あふれかえる都市:2016年世界のトイレの状況」を発表

WaterAidは世界トイレの日である11月19日に、世界の都市のトイレの状況をまとめた報告書「あふれかえる都市:2016年世界のトイレの状況(Overflowing Cities: The State of the World's Toilets 2016)」 を発表しました。すべての産業化した国の人口の大半は都市に住んでおり、これは途上国において、都市の人口増加が予測されるということでもあります。国際連合人間居住計画国連(ハビタット)によれば、途上国の都市人口の3分の1-8億6,300万人以上―はスラムに住んでいると推定されています。多くの場合、都市計画とインフラ建設が追いついていないのです。


「2030年までにすべての人がすべての場所で基本的なトイレを利用できるようにする」というターゲットを含む目標6が設定された「持続可能な開発目標(SDGs)」が、昨年国連に加盟するすべての国によって採択されました。残り14年でこの目標を達成するためには、少しも時間を無駄にはできません。

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世界トイレの日とは

現在、世界の全人口の約3分の1が衛生的なトイレがない環境で生活していると言われており、そうした地域では、プライバシーも人としての尊厳もない排せつ環境におかれています。さらに衛生的なトイレがないことで、病気に感染してしまうなどの問題が起きています。

こうした問題を受け、2001年11月19日に世界トイレ機関(World Toilet Organization)が創設され、「世界トイレサミット」が開催されました。さらに2013年の国連総会において毎年11月19日を国連「世界トイレの日」と制定しました。「世界トイレの日」は、世界で起こっているトイレの問題を多くの人に知ってもらい、公衆衛生への関心を高め、問題解決を加速していくための日です。