【ニュース】世界保健総会に向けて:衛生行動・公衆衛生に資金拠出を

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WaterAid Japan
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25 May 2021
WaterAid/ Dennis Lupenga

5月24日から開催されている第74回世界保健総会に対して、ウォーターエイドは、衛生行動、そして公衆衛生への緊急的な資金拠出を呼びかけています。 

世界保健総会は、緊急性の高い保健課題に関する行動に合意するために、保健大臣が年に1度集まる場です。今年は、5月24日から6月1日まで、バーチャルで開催され、保健医療施設における水・衛生について2019年に出された決議の進捗状況の確認、新型コロナウイルス感染症への対応、パンデミックへの備え、患者の安全など、健康に関する緊急課題についての行動に合意することになっています。 

新型コロナウイルス感染症のワクチンは、この長いトンネルの終わりを照らす光ではありますが、感染症に立ち向かうための「唯一の特効薬」ではありません。西アフリカでのエボラ出血熱の再燃や薬剤耐性「スーパーバグ」の脅威は、新型コロナウイルスが、私たちが直面する最後のパンデミックではない可能性を示しています。世界各地で公衆衛生とパンデミック対策を強化するための野心的な行動がなければ、私たちは自分自身やお互いを守ることはできません。 

手洗い等の衛生行動は、コミュニティや医療従事者、患者にとって、新型コロナウイルス感染症やその他の感染症対する最初の防御策です。衛生行動は、公衆衛生、質の高い医療、将来のパンデミックへの備えにおいて基本であり、かつ費用対効果が高い手段であると言えます。しかし、何十億人もの人々や医療従事者が、石けんときれいな水で手を洗うことができません。衛生を保つことができなければ、医療は安全ではなく、命が失われてしまいます。今、この状況を変えなければなりません。 

ウォーターエイドは、新型コロナウイルス感染症対応やパンデミック対策の柱の1つとして、コミュニティや第一線の医療従事者のための清潔な水、石けん、適切なトイレが、政府やドナーによって優先されていないことを憂慮しています。医療従事者は、自分自身と患者を守るために必要な「盾」である手洗いをあきらめざるをえないのです。 

これは、世界保健機関(WHO)の勧告や、世界の最富裕国における人々の大きな支持、そして2年前の世界保健総会ですべての保健大臣が約束した「保健医療施設における水・衛生に関する決議」を全会一致で採択したことに反するものです。 

現在も世界では、 

  • 30億人の人々が、石けんと水と使って自宅で手を洗うことができません。 
  • 18億人の人々が、給水設備のない保健医療施設で働いており、新型コロナウイルス感染症などの感染症のリスクが高い状況に置かれています。 
  • 3つの保健医療施設のうち1つは、すぐに利用可能な手洗い設備がありません。 
  • 後発開発途上国の保健医療施設の約半数に給水設備がありません。 

 

Dr. Queen Kulwa Machella, 24, clinical officer, in her office at Nkome Dispensary, Geita District, Tanzania, June, 2019.
WaterAid/ James Kiyimba

世界は、新型コロナウイルス感染症に対する準備ができていたとは言えません。次のパンデミックに備えるためには、基本的なことをきちんと押さえておく必要があります。 

ウォーターエイドは、政府首脳および保健大臣に対し、WHOのガイダンスに沿って、また世界的に経済が縮小していることを考慮して、新型コロナウイルス感染症への対応と復興のための戦略の中心として、衛生行動と公衆衛生への緊急的な資金を確保するために、 以下の重要な行動をとることを求めます。 

  • 公平かつ長期的なパンデミック対策の一環として、ワクチンへの平等なアクセスを促進し、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを終息させる。また、公平かつ長期的なパンデミック対策として、水・衛生を通じた保健システムの強化と治療の質の向上に取り組む。また、ワクチンの展開に衛生行動の促進を統合することにより、将来のパンデミックに対するコミュニティのレジリエンス(強靭性・回復力)を強化する。 
  • 2019年の世界保健総会で出された、保健医療施設での水・衛生に関する決議(WHA72)示されたコミットメントを迅速に実施することで、最も脆弱な医療従事者と患者のレジリエンスを高める。70%が女性である第一線の医療従事者(清掃員やスタッフを含む)を守るためのサービス、インフラ、備品やトレーニングに資金拠出する。