線路を越えて クリーン・インディアへのあゆみ

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Image: WaterAid/ Isabelle Neill

ラーダさんのストーリーは、たとえ困難の多い住環境であっても、変えていくことができるのだということを私たちに教えてくれます。

この映像は、ウォーターエイドが、「インドに必要なのは寺院よりもトイレだ」ということをこれからも伝え続ける必要があると考え制作したものです。

2019年までにトイレを必要とするすべての家庭に設置することを掲げた、インドのナレンドラ・モディ首相主導の「クリーン・インディア」キャンペーンを推進中のウォーターエイドは、”トイレ”のようなシンプルなものがいかに生活を改善するかを、意欲的に活動を行う一人のお母さんのストーリーを軸に探ります。

映像に出てくるラーダ・ヴェルマさんは、自分の娘が襲われたことをきっかけに、トイレの建設は困難だろうと言われていたラーキマンディ・スラムの中で最初のトイレを作ることを決意します。ラーダさんのストーリーは、困難の多い住環境であっても変えていけるのだということを私たちに教えてくれます。

  

道のりはまだ長い

インドのナレンドラ・モディ首相が掲げてきた「寺院よりトイレを」という取り組みは、衛生設備へのアクセスを大幅に改善しました。しかし、2019年までにすべての人がトイレを利用できるようにするためには、残り4年半の間に10億4百万個、1日におよそ7万個ずつ新しいトイレを作る必要があります。道のりはまだまだ長いのです。

しかし、強力な選挙公約があったにもかかわらず、最近発表された2015~2016年の政府予算を見ると「クリーン・インディア」キャンペーンへの拠出はほぼ半減、水や衛生のための予算捻出は個々の州に委ねる形となっています。

インドでは約8億人、人口の64%が基本的な衛生設備がない環境で生活しており、そのうち約6億人が、野外排泄を続けています。安全なトイレが利用できないことは、深刻な影響をもたらします。排泄物は、様々な病気を引き起こします。毎年インドでは、5歳未満の子供が186,000人以上亡くなっていますが、これは安全でない水や不衛生な環境によって引き起こされる下痢が原因です。

野外排泄をすることは、恥ずかしい、臭い、汚いというだけでなく、女性が嫌がらせや暴力を受けるリスクも高めます。

※本プロジェクトは、HSBCウォータープログラムより資金提供を受けています。HSBCウォータープログラムは、アースウォッチWWF、ウォーターエイドの3つのNGOのパートナーシップで、HSBCのスタッフによって提案された地元のプロジェクトに資金を拠出しています。