あらゆる人のために

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Image: WaterAid/ Caroline Irby

すべての人に、水と衛生設備を

(マリ、ウガンダ、ネパール)

今日もまた何キロも歩いて水をくみに行き、どこか目につかない場所を見つけて用を足さなくてはならない ― 毎朝そう思いながら目を覚ます生活を、想像してみてください。

そしてもし、自分が高齢者だとしたら、あるいは障害や慢性的な病気を抱えているとしたらどうでしょう?

ただでさえ過酷な生活だというのに、その生活を送ることすら不可能になってしまいます。新しいトイレが作られたり、給水設備が設置されたりする場合、弱い立場の人々が取り残されてしまうことがあります。そこで、WaterAidはパートナーと緊密に連携し、個人個人のニーズについてすべての人と話をします。タップスタンド(給水蛇口設備)の位置を低くしたり、トイレを高くしたりといった、ほんの些細なことで、誰かの手を借りなければできなかったことが、1人でできるようになる場合もあります。

平等であること、そしてあらゆる多様性を受け入れることによって、WaterAidはインクルーシブな組織として、すべての人々が安全な水と衛生設備を使うことができる世界というビジョンの達成に、一歩近づくことができるのです。「すべての人々」には、例えば次のような人も含まれます。:

 

アミハタ・クリバリさんマリ)

85歳のアミハタ・クリバリさんは、2001年に河川盲目症にかかって視力を失いました。アミハタさんのコミュニティでは、目の不自由な人が社会の隅に追いやられることがよくあります。

Amihata Coulibaly, Simba East, Mali
Image: Charlie Bibby/ Financial Times

「私は他の人たちに頼って生活しています」とアミハタさんは言います。「分かりますか?前は全部自分でやっていたことなのに、今はそれが何もできないんです。本当に辛いですよ」。アミハタさんは現在、目の不自由な人を支援する地元のグループに加わり、生活が改善し始めたところです。

 

ドラティア・ナムドゥさんウガンダ)

雨期になると岩だらけの険しい道が滑りやすくなり、水くみに行くのが大変です。75歳になるドラティア・ナムドゥさんは、自分で水をくみに行けず、息子に頼っていました。

Dolatia Namoudu sitting inside the doorway of her house, Kitayita, Wakiso, Namayumba, Uganda
Image: WaterAid/ Caroline Irby

今では雨水貯留タンクができ、ドラティアさんは家のそばで水を手に入れられるようになりました。「他の人にすっかり依存している気がして、重荷になっているのが嫌だったんです。今は自立できているんですよ。」

 

ハリ・バハドゥール・サプコタさんネパール)

ハリ・バハドゥール・サプコタさんは両脚にまひがあります。3度の離婚経験があるハリさんは、妻たちが去って行った大きな原因の1つは自分の障害だと言います。ハリさんは不衛生なトイレの床を這って行って用を足さなくてはならなかったのです。

バケツ付トイレチェアを設置し、衛生習慣を改善するという簡単な方法で、ハリさんの生活は一変しました。ハリさんは肩身の狭い思いをすることもなくなり、今では家族全員の食事の用意を任されています。

 

ご存知でしたか?

  • 最も貧しい地域では高齢者の40~60%が、改善された衛生設備や水を利用できない状態にあります。(WHO)

  • 世界中の60歳以上の人口のうち64%が開発途上国に暮らしています。この数字は2050年までに80%にまで増加する見込みです。(ヘルプエイジ・インターナショナル)