バショナさんのストーリー

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Image: WaterAid/ GMB Akash/Panos

バショナさんのストーリー

バングラデシュ、ダッカ市

WaterAidがバショナさんのコミュニティで活動を始めた当時、バショナさんは専業主婦として、1日の大半を家族のための水くみに費やしていました。

バショナさんは生まれてからずっと、バングラデシュのダッカ市にあるスラム地区で暮らしてきました。このコミュニティではきれいな水が手に入らないことも多く、そんな場合は、囲いのない小さな管井戸の水でしのがなくてはなりません。その管井戸にしても、管理は自分たちでしなくてはなりませんでした。

しかも、このスラム地区にはトイレがほとんどなく、野外で用を足さざるを得なかったため、衛生状態が悪く病気がまん延しやすい状況でした。

先ごろバショナさんは、水と衛生に関する委員会の書記になりました。この委員会は15人で構成され、カルシ・タカー・バー・スラム地区の水と衛生設備に関するニーズについて、WaterAidの現地パートナーに提言を行っています。バショナさんはこのスラム地区の人たちと会い、その人たちが抱える問題について話し合うことに自分の時間を費やしています。集まった意見は委員会に持ち帰り、報告を行います。

その結果、委員会は、トイレの設置が最優先事項であり、次いでスラム地区のそばにきれいな水が使える給水設備を設置する必要があると判断しました。

過去12か月の間に、このスラム地区に60か所のトイレが設置されました。悪臭がなくなって、ここでの暮らしがずっと快適になったとバショナさんが話してくれました。自分の家も、汚水の中で暮らしているような感じがなくなり、満足できるようになったそうです。

他にもまだたくさんのメリットがあります。以前は子どもたちが下痢で体調を崩し、1か月のうち20日も学校を休むことがよくありました。それが今では、きちんと学校に通えています。バショナさんの夫は病気で仕事を休むことがなくなったので、休んだ日の賃金がもらえないことを家族が心配する必要もなくなりました。

バショナさんは、こうも話してくれました。「委員会に入って、私はリーダーになったんです。ダッカ市中の人たちみんなが、バショナという女性がいること、バショナはリーダーだということを知っています。」

「バショナは他のリーダーたち誰にでも話をしに行けるし、どんな団体とでも、どんな政府機関や委員会とでも話ができる。彼女なら話を持って行けるし声を上げることができるって、みんな知ってくれているんです。」