明るい未来のために
インド・マホバ地域の学校では、350名を超える先生と生徒たちが清潔な水と適切なトイレを使えるようになりました。
何も問題がないときでも教鞭をとるというのは大変な仕事ですが、さらに飲み水もなく、トイレにも行けずに教壇に立つ1日を想像してみてください。
ウッタル・プラデーシュ州マホバ地域の学校では、ひとつしかない不衛生なトイレを先生と341名の生徒が共同で利用しており、安全な水源もありませんでした。
しかし今では、H&Mコンシャス財団とウォーターエイドの活動によって、全員が安心して学校で教え学ぶことができるようになりました。
教員の離職を食いとめるために
このプロジェクトが実施される以前は、不衛生な水しか手に入りませんでした。安全とは言えない水を飲料水として利用していたり、手が不衛生だったり、水分補給が不十分だったりしたために、先生も生徒も頻繁に体調を崩していました。
15名いる先生は全員女性で、高学年の生徒たちと同じトイレを使うのを恥ずかしく思う人もいました。高学年の女子生徒と同様に、先生たちも生理の際に生理用品を廃棄する設備がなくて困っており、多くの人がトイレに行くために帰宅していました。
この基本的な設備の不足という問題に耐えられず、職員の離職率は高い状態にありました。
より清潔な学校に
そこで、H&M コンシャス財団とウォーターエイドは、現地パートナー団体「グラモナティ・サンスタン」と協力し、校内に安全な給水設備と男女別に分かれたトイレを作りました。
また、衛生に関する授業を設け、生理用品を処分するための焼却炉も建てました。現在は、女子生徒と先生たちに生理ナプキンが支給されています。
新しい設備のおかげで、生徒たちは健康になり、集中力を保てるようになりました。先生たちも仕事がしやすくなり、離職する人が減りました。
衛生教育の効果
リーナ・チョーラシア校長は、毎週土曜日に衛生の授業を行うようになって、多くの良い変化が見られるようになったと言います。多くの生徒や先生たちは、新しい衛生知識を村に持ち帰り、プロジェクトでの成果をさらに広めています。
「生徒たちは衛生について授業で学んだことを暗唱できるまでになり、いまでは家族に教えています。」とリーナさんは話します。
衛生教育は先生たちにも好評です。
「私たちは手洗いが必要だと知りませんでした。そのため、子供たちに物を食べる前やトイレの後に、手を洗うように指導することもありませんでした。水や衛生設備、衛生教育の重要性について理解していなかったのです。」とアクリティ・シャクラ先生は話します。
「家族が料理をしているときや、病気にかかりそうな行動をしているときに、両親に手を洗うよう注意をするのが生徒たちの役目になりました。私自身も、家族や地元の村で衛生の大切さについて説明するようになりました。いろいろな変化が起こりつつあり、自分にもよい変化が起きていると感じています。」