ヒュー・ボネヴィルさんのインドレポート

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Image: WaterAid/ James McCauley

ヒュー・ボネヴィルさんがインドを訪問

ドラマ「ダウントン・アビー」のスターで、ウォーターエイドの親善大使を務めるヒュー・ボネヴィルさんは、ウォーターエイドのインドでの活動現場を訪問し、きれいで安全な水とトイレが村を変えることを実感しました。

ヒュー・ボネヴィルさんは、「ノッティングヒルの恋人」や「ミケランジェロ・プロジェクト」といった数々の映画への出演や、イギリスの人気テレビドラマシリーズ「ダウントン・アビー」のロバート・クローリー役、ブリティッシュ・コメディ・アワードで賞を受賞したコメディドラマ「Twenty Twelve」のイアン・フレッチャー役などで知られるイギリスの俳優です。

2015年夏、ヒュー・ボネヴィルさんはインドの2つの村を訪問し、皆さまからのご支援が世界で最も貧しい村々に与えた変化を目の当たりにしました。「自分が普段どれだけ意識せずに、きれいで安全な水とトイレを使っているのかを改めて実感しました。」とヒュー・ボネヴィルさんは話します。「きれいで安全な水や衛生設備が、健康、教育、生活を改善するんです。とてもシンプルな方程式ですね。」
 

「稼いだお金はほとんど医療費に消えてしまいます。」

世界の最貧困層の3分の1がインドに暮らしています。きれいで安全な水やトイレを利用できない環境が、村全体、特に子供の健康へ及ぼす影響は深刻です。インドでは毎年、140,000人の子供たちが予防可能な下痢性疾患で命を落としています。

ウォーターエイドがまもなく活動を開始するマディヤ・プラデーシュ州のナライ・カ・プラ村では、300人で1つの手押しポンプを利用しており、ほとんどの人はトイレを使えていません。

村の住民の半分が排水システムのない状態で家畜を飼っているために、村の周辺はすぐに、ごみや人・動物の排泄物でいっぱいになり、ポンプからくむ水も汚染されてしまいます。

夫が都市で働いている間、3人の幼い子供たちと家畜の面倒を見ているキーシャンさんは、「子供たちは不衛生な飲み水とあちこちで起こる洪水のせいで、健康に多くの問題を抱えています。1ヶ月に8回も病院に行かなくてはならず、稼いだお金はほとんど医療費に消えてしまいます。」と話します。

Hugh Bonneville meets Kishan Devi, mother of 3, with her daughter Sapna aged 5 in Narai Ka Pura, which doesn't have safe water or toilets. August 2015.
ヒュー・ボネヴィルさんに、きれいで安全な水がないために家族の健康状態が悪くなっていることを話すキーシャンさん
Image: WaterAid/ James McCauley

 

きれいな水のために、村が団結しました

2004年、ウォーターエイドは近隣のマハデブ・プーラ村で、現地パートナーと共に給水ポンプと家庭用トイレを設置し、衛生的な環境への関心を高める活動を始めました。

村の人々は、すぐに活動を手助けしてくれました。2人の子供の父親で農業を営むジーヴァさんは、「私たちはトイレの大切さを理解していました。だからこそ、活動に参加したかったのです。」と語りました。

ジーヴァさんが委員長を務める村の水・衛生委員会は現在、新しく設置された衛生設備の管理を行っています。また、ウォーターエイドが支援を終了した2008年以降、村の人々はさらに手押しポンプ4台に投資をしました。

「村は清潔になり、子供たちは健康で幸せそうです。この村は活気に満ちています。」とヒュー・ボネヴィルさんは話します。

食事の前にきれいな水で手を洗い、給食を楽しむマハデブ小学校の子供たち
食事の前にきれいな水で手を洗い、給食を楽しむマハデブ小学校の子供たち
Image: WaterAid/ James McCauley

 

子供たちが毎日学校に通えるようになりました

マハデブ・プーラ村では、きれいな水とトイレが利用出来るようになったことで、子供たちの生活も変わりました。

村の学校の教師であるバドリさんによると、子供たちは以前、数時間だけ登校し、トイレに行くために学校を出なければならなかったと言います。今は授業で衛生教育を行っており、生徒の生活や健康への効果は明らかです。

バドリさんは「今ではトイレときれいな水が学校の敷地内にあるため、出席率が上がり、なんと100%になりました!子供たちの健康状態も大幅に改善されました。」と話してくれました。