カンボジア
首都:
プノンペン
人口:
1,600万人
面積:
18万1,035
km2

カンボジアは、水がない国ではありません。 熱帯気候とメコン川は、森林地帯や広大な水田、トンレサップ湖などに水を供給しています。 それにもかかわらず、人々が清潔な水を手に入れるのは簡単ではありません。

カンボジアは、この国に長く続く闇をもたらし、発展を妨げてきた大量虐殺の時代を経て、アジアで最も急成長している国の1つになっています。カンボジアの人々は新たな希望と課題に向き合っています。

工業の急速な拡大は、貴重な水源である森林の大規模な減少を引き起こしています。全国的にみれば人々の生活水準は向上していますが、発展の恩恵の分配は一律ではありません。多くの人々は現在も極度の貧困の中で生活しており、清潔な水や適切なトイレなど本来あるべきサービスが届いていません。

が清潔な水が飲めません

それはおよそ4人に1人に相当します。

は適切なトイレを使えません

その数は660万人です。

が適切なトイレを使えません

都市部では10人のうち約9人が適切なトイレを利用しています。

この国に住む人々は柔軟で機知に富んでいます。例えばコミュニティ全体を湖に浮かべる方法や、河川の堆積地で作物を収穫する方法を考え出しました。カンボジアの人の創造的なアプローチは、ウォーターエイドの活動をより効果的なものにしています。

カンボジアでのウォーターエイドの活動

ウォーターエイドは、地元のパートナーや他の組織と協力することによって、革新的な解決策を展開しています。浮遊式のトイレから病院専用の手洗い場まで、カンボジアの人々がより良い日常生活を送れるようにするため、ウォーターエイドはカンボジアの人々と協力しながら支援を行っています。"

清潔な水、青々とした菜園

Image: WaterAid/Tom Greenwood
今は、野菜を栽培してそれを調理したり市場に売ったりできます。以前もやっていましたが、水やりを十分にできなかったので野菜は育ちませんでした
クロー・フォンさん(75歳)

プレックベイでは、約900人の住民が小規模な農業に従事し、なんとか生計を立てています。水道サービスやトイレがないことは、経済的な困難をさらに大きくします。

つい最近まで、この地域で水を手に入れる唯一の方法は、巡回してくるトラックから水を買うことでした。その水質には問題があり、値段も高価でした。さらにそのトラックは予定通りには来ませんでした。「時々トラックが2日間来ないこともありました」とクロー・フォンさん(75歳)は話します。

こうした負担と生活の苦労は、人々が本来できるはずのことを不可能にしていました。

状況は、ウォーターエイドが地域のパートナーであるDDSPと共に活動を始めたことで劇的に変化しました。DDSPは、カンボジア国内で障害のある人々の支援に力を入れている団体です。

フォンさんはとても幸せにそうに話します。

「今、私は水を使うことができます。野菜を栽培してそれを調理したり市場で売ったりできます。今は、カボチャやレモングラスなどを栽培しています」

水上の村のイノベーション

トンレサップの湖上で生活する10万人の人々にとって、湖は彼らの生命の源です。ウォーターエイドは、排せつ物を処理するため、ハンディポッドという浄化装置の普及に協力しました。細菌と水生生物の力で排せつ物を分解し、汚染物質を取り除いた上で水を湖に戻します。これにより、湖で獲れる魚や湖の水で洗う食器が排せつ物で汚染される危険がなくなりました。

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Image: WaterAid/Laura Summerton

翻訳協力:立命館大学実践経済演習の皆さま