インド
首都:
ニューデリー
人口:
13億4,000万人
面積:
328万7,263
km2

インドでは、10億人以上の人々が暮らしています。この膨大な人口は、砂漠地帯からデルタ地帯、緑の渓谷から岩の多い山脈まで広がっていて、巨大な都市もあれば都市部から離れた農村もあります。清潔な水、適切なトイレ、正しい衛生習慣がすべての人々に行き渡るために、乗り越えなければならない大きな課題があります。

しかし、この挑戦は、すでに実績を上げています。ウォーターエイドの支援により、インドでは60万人以上の人が清潔な水を使えるようになり、117万人以上の人が適切なトイレを使えるようになりました。インド政府は、2019年末までに野外排せつをゼロにすることを目標に掲げた「クリーンインディア」キャンペーンを展開。トイレ問題はトップニュースとなり、実際に変化が起きています。

多くの人々が急速な経済成長の恩恵を受ける一方で、何百万もの人々がその流れから取り残されてきました。

人口の半分近くの人々が線路の脇や狭い路地を通って川や野原に行き、野外排せつするしかありませんでした。毎日、150人以上の5歳未満の子供が、不衛生な水や、適切なトイレの不足のために下痢になり、命を落としていました。野外排せつの解消は大きな一歩ですが、適切なトイレはなお不十分です。また、急速に拡大するスラム街に住む人々に水とトイレを届けることも非常に難しい問題です。

ウォーターエイドは、現地パートナー、現地政府、企業や支援者の皆さまと連携しながら、清潔な水、適切なトイレ、正しい衛生習慣がインドのすべての人にとって「当たり前」のものとなるように取り組んでいきます。

 

ウォーターエイドのインドでの活動

人々が自らの正当な権利を要求することは重要です。そのためにウォーターエイドは、人々が水・衛生に関する知識を獲得し、自信をもって水・衛生の課題について話すことができるように支援します。ウォーターエイドはまた、インド政府が、水・衛生の問題を、健康や栄養、災害対応の戦略に統合し、安定的なシステムを構築していくことを支援します。

女性や子供、障害者などが、水・衛生サービスを利用するためには、特別な配慮も必要です。ウォーターエイドは、こうした配慮も行い、誰一人、取り残されないようにします。

衛生のスーパーヒーロー

Image: WaterAid/Eliza Powell
多くの変化がありました。最大の変化は、娘たちが用を足すために遠くに行かなくてもよくなったことです。以前は、娘たちが用を足しに行くと、車の中からじっと見られたり、声を掛けられたり、近づいて来られたりしたのです
公衆トイレの管理をしているチャンダさん

チャンダさんはデリーで、地域の公衆トイレの管理をしています。トイレがいつもきれいで、ちゃんと使えるように管理し、地域の人が気持ちよく使えるようにしておくことが仕事です。

チャンダさんの住む地域では、適切なトイレを使える人はいませんでした。そのため、住民たちは野外で排せつするしかありませんでした。コミュニティは病気の危険にさらされ、女性や女の子は嫌がらせの危険にさらされていました。

「多くの変化がありました」とチャンダさんは言います。「最大の変化は、娘たちが用を足すために遠くに行かなくてもよくなったことです。以前は、娘たちが用を足しに行くと、車の中からじっと見られたり、声を掛けられたり、近づいて来られたりしたのです」。

チャンダさんは、安全なトイレや正しい衛生習慣について話し合う住民グループの一員としても活動しています。

チャンダさんは、自分の仕事にとても大きな誇りを持っています。そして、こう話します。

「私は地域を見守っているのです。私はこの仕事がとても好きです、だから、私は生きている限り、この仕事を続けていきたいのです」

 

翻訳協力:立命館大学実践経済演習の皆さま