マリ
首都:
バマコ
人口:
2025万人
面積:
124万192
km2

マリは、北部にサハラ砂漠が広がり、地球上で最も暑い場所の一つです

人口の大半は南部に住んでいますが、北部の砂漠地帯には遊牧民が暮らしています。マリは、多様な民族によって構成され、カラフルな衣服、素晴らしい音楽文化、口承の伝統で知られています。

マリでは、5人中、4人が農業で生計を立てています。しかし、ほとんどの地域で降雨量が少なく、干ばつが多発しています。国民の半数は貧困状態にあり、利用できる水を見つけることは人々にとって常に心配の種でした。水をめぐる状況は近年改善されつつあり、最近では4人中、3人が清潔な水を利用できるようになりました。その一方、適切なトイレがあるのは10人中、3人にすぎません。

マリ政府は2030年までにマリのすべての人々が清潔な水と適切なトイレを利用できるようにすると表明しています。水・衛生なしで人々は尊厳のある生活、健康的な生活を送ることができません。清潔な水と適切なトイレがあれば人々は、自分の新たな可能性を解き放ち、貧困から抜け出し、人生を良い方向へと変えることができます。

が清潔な水を使えません

それは6人中、1人に相当します。

が適切なトイレを使えません

それは人口の半分以上に相当します。

の5歳未満の子供たちが下痢で命を落としています。

不衛生な水と、適切なトイレの不足が原因です

マリでのウォーターエイドの活動

ウォーターエイドは、多くの関係者と協力しながら、清潔な水、適切なトイレ、正しい衛生習慣という課題が、教育や保健衛生、環境、食料安全保障などの取り組みの中心に置かれるように活動しています。近年の政情不安と不規則な降雨により、その実現のためには、さらに多くの複雑な問題との調整が必要となっています。

私たちはさまざまな経験と知見、これまでに培ったネットワークを活動に取り入れます。例えば、斬新でコストも低い技術を遊牧民グループと共有し、水の利用に関する紛争を解決し、芸術と口承の伝統を通じて正しい衛生習慣の普及を図ります。

気候変動の影響を感じさせるマリの環境の下では、気候が変化しても、崩れることなく、長く続けられるしくみが不可欠です。私たちはパートナーや住民と協力し、気候変動の影響が現れても、水・衛生の設備を日々、住民たち自身が維持・運営できるように、スキル向上にも取り組んでいます。協力し合うことで、私たちは私たちの世代で目標を達成できるでしょう。

学校に給水設備ができた

Image: WaterAid/Basile Ouedraogo
安心して清潔な水が飲めるようになり、トイレを待つために行列をして時間を無駄にすることはなくなりました
AMALDEME医療教育センターのセンター長、ソウガロさん

首都バマコにあるAMALDEME医療教育センターでは、最大600人の学習上の困難がある子供たちの治療や教育、訓練を行っています。

センターの給水塔は古くてひびが入り、不衛生な水が供給されているため、スタッフは貴重な資金を使って水を買わなくてはなりませんでした。また、センターにある30のトイレのうち3つしか使用できず、子供たちは屋外の便器で用を足さなければなりませんでした。

ウォーターエイドはセンターと協力して、給水塔を修理し、手洗い場を設置し、給水設備を整え、トイレを使えるようにしました。「安心して清潔な水が飲めるようになり、トイレを待つために行列をして時間を無駄にすることはなくなりました」と、センターを運営するソウガロ・トラオレさんは言います。

学習に困難がある子供たちは、いろいろな場面で緊張を感じます。しかし、ソウガロさんによれば、生徒たちは新しい設備に緊張することもなく、以前よりも落ち着いて設備を使っているようです。ほとんどの子供たちは、蛇口が何なのかを知りませんでしたが、今では、それは彼らの日常生活の一部です。

この学校を担当しているディアロ・アッシタさんは、こうした変化が、子供たちが学んだり、社会参加や自立生活の準備をしたりする上で、どれほど役に立ったかを話してくれました。

「いただいた支援がどれほど素晴らしく、どれだけ役に立ったか、言葉することはできません」とディアロさん。

「私たちにとって心からの喜びでした。水は生きることそのものであり、幸福です」

 

翻訳協力:立命館大学実践経済演習の皆さま