ネパール
首都:
カトマンズ
人口:
2,900万人
面積:
14万7,181
km2

ネパールは、地球上で最も美しい景観がいくつも見られる場所です。世界最大の山々も、世界最大の渓谷もあります。そして、モンスーンによる雨も世界で最も激しいものです。これらは一方で、清潔な水や適切なトイレ、正しい衛生習慣を人々に届けることを極めて難しくしています。

ネパールの人々は、これまで想像を超える困難に直面してきました。地震、政治的混乱、内戦、そして極度の貧困に見舞われながらも、ネパールの人々は常に立ち上がってきました。

ウォーターエイドは1987年、ネパールで活動を始めました。ネパールの人々と協力しながら活動をする中でも大きな進展がありました。2015年、ネパールは、世界で最もトイレに関する改善が進んだ国のランキングで第3位となりました。また、水については現在、10人中9人が清潔な水を飲んでいます。これまで以上に多くの人々が衛生習慣の重要性を認識するようになっていて、安全で健康な生活を維持しようとしています。

しかし、改善すべきことはまだあります。10人に1人は清潔な水が飲めず、人口の約半数が適切なトイレを使えません。水と衛生に関連した病気は、公衆衛生の大きな問題です。子供たちが5歳の誕生日を迎えられない最大の理由の一つが、不衛生な水や、適切なトイレの不足による下痢なのです。

が清潔な水を使えません

が適切なトイレを使えません

それは1,100万人以上です。

の5歳未満の子供たちが下痢で命を落としています

不衛生な水と、適切なトイレの不足が原因です。

ネパールでのウォーターエイドの活動

ウォーターエイドは、阻害されている地域の人々や困難な状況にある人々が、彼らが持つ水・衛生の権利のために行動することを支援します。

ウォーターエイドはまた、水・衛生へのアクセスは重要事項であり、政府や政策立案者はそれを安定的に提供する責任を負っていることを明確にします。

私たちは、安定したシステムをつくるため、他の人々と連携します。清潔な水、適切なトイレ、正しい衛生習慣を、健康と教育の中心にある課題として捉えます。そして常に新たな研究、斬新な発想、そして持続可能な技術が適用できる方法を模索します。ウォーターエイドは、支援者やパートナーのみなさんとともに、よりよい世界をつくるため、変化を起こしていきます。

地震からの復興

Image: WaterAid/Mani Karmacharya
トイレ・衛生の環境は改善され、人々は清潔な水を使えるようになりました。私は、このプロジェクトに関わっていることを誇りに思います!
コシデカ村のクリシュナ・バハドル・サヌワさん(58歳)

配管工は重要な仕事です。しかし、地震で地域のトイレのうち、10分の8が破壊されてしまったら、その仕事は、まさにかけがえのないものになります。2015年にネパールを襲った地震の後、ウォーターエイドは、クリシュナ・サヌワさんと一緒に、ネパールの丘陵地帯にあるサヌワさんの村、ハレルソックで、給水栓の蛇口とトイレの修理を進めました。

「地震の後、私がここに来たとき、状況は良くありませんでした。水は管理がされていませんでした。トイレは破損し、人々は野外で排せつしていました。修理の作業中、トイレに行くのはとても大変でした。しかし、今では全ての世帯にトイレが建設されています」とサヌワさんは言います。

サヌワさんのたゆまぬ努力は、地震から村が再生するのを助けました。彼はその結果に誇りを持っています。「村で生きる私の子供たちや将来の世代が、不衛生な水を飲む必要がなくなり、病気の不安の生活が送れることを、とてもうれしく思います」。

障害のある女性に尊厳を

世界には10億人以上の障害者がいて、その約3分の1が月経のある女性です。ウォーターエイドはネパールで、障害があっても、女性が尊厳を持って月経を管理することができるように、知的障害のある人と介助者のためのプログラムを実施しました。

Meena Bogati, 22, carrying a 'Bishesta' doll, outside Banepa Muncipality office, Banepa, Kavre, Nepal, December 2018.
Image: WaterAid/ Shruti Shrestha

翻訳協力:立命館大学実践経済演習の皆さま