シエラレオネ
首都:
フリータウン
人口:
797万人
面積:
7万1,740
km2

シエラレオネは可能性を秘めた国です。鉱物資源や巨大な港、白い砂浜と熱帯雨林の美しい風景に恵まれています。若い人たちは、貿易と観光をきっかけに繁栄を経験することになるでしょう。

1990年代、10年以上続いた内戦によって、シエラレオネは荒廃し、すべてが破壊されてしまいました。内戦から10年以上がたった2014年にエボラ出血熱が発生した時、手洗い場が使えたのは4世帯中、1世帯にも満たず、石けんがあったのは14世帯に1世帯だけでした。

エボラは急速に拡大し、清潔な水、適切なトイレ、そして正しい衛生習慣がなければ、どれだけ多くの人々が生死をさまようかと見せつけることになりました。この3つがなければ、人間は尊厳のある健康的な生活を送ることができません。

が清潔な水を使えません

が適切なトイレを使えません

の5歳未満の子供たちが下痢で命を落としています

ウォーターエイドのシエラレオネでの活動

水やトイレ、衛生に関するサービスを利用できない人たちがいます。シエラレオネでウォーターエイドは、こうした人たちの中でも特に遠隔地のコミュニティで生活する人々の問題に取り組んでいます。ウォーターエイドは、人々が協力し、自分たちの権利を主張することができるよう、人々が知識と自信を身に付けるような活動を展開しています。

シエラレオネ政府は公式に、水へのアクセスは人権であることを認めました。これは素晴らしいスタートです。ウォーターエイドは、これが達成され、すべての人に清潔な水が届くようにするために必要な支援を惜しみません。そして、適切なトイレと正しい衛生教育も同じように重要であるということも広めていきます。

ウォーターエイドはまた、持続性のあるサービスを担うことが可能なしっかりとした組織をつくることにも協力しています。こうした組織ができることによって、確固とした政策、検証された取り組み、明瞭な計画が提供されるのです。

過去の内戦と近年のエボラで負った傷を乗り越えるのは、容易なことではありませんでした。しかし、多くの支援者の協力を得て、私たちは着実に困難を克服しつつあります。

ウォーターエイドは、シエラレオネが復興と発展への土台に立ち、すべての人々が自分の能力を最大限に発揮できる未来を手にすることができるように、人々と共に活動を続けています。

ポンプがすべてを変える

Image: WaterAid/Peter Abdulai
私たちが以前のように苦しむことはありません
イエ・デンビーさん(40歳)

ウォーターエイドが導入したハンドポンプによって、イエ・デンビーさんは、当たり前の生活が送れるようになりました。

内戦による数年間の避難生活の後、家族とともに村に戻ってきた時、彼女にあったのは、ほんの少しの食料と雨風をしのぐだけの住まい。水は、不衛生な川の水を使うしかありませんでした。

イエさんは毎晩水をくみにいき、ごみなど沈殿させ、翌朝、その水をろ過して使っていました。それでも、その水は清潔というわけでなく、彼女の家族は病気になってしまいました。ただ、イエさんたちには、それ以外の選択肢はありませんでした。

イエさんの娘、ナジエちゃんは、下痢のため命を落としかけました。幼い息子は命を落としてしまいました。「戦争が終わったのに、自分の子供が病気で命を落とすなんて。私の心はひどく傷つきました」と、イエさんは語りました。

イエさんの2歳の孫娘を含む多くの人々が、毎年、コレラで命を落としています。

しかし今では、ポンプから出る清潔な水が生活を変えました。「子供たちは以前にように病気にはなりません。彼らは笑顔を見せてくれます」とイエさん。そして、イエさん自身も、健康で、活発に動くことができ、栽培している野菜は時には販売できるほどの量にもなります。

これは、清潔な水がもたらした生活の変化です。そして、この変化は、ウォーターエイドがシエラレオネ全体で達成しようとしている変化です。

 

翻訳協力:立命館大学実践経済演習の皆さま