東ティモール
首都:
ディリ
人口:
130万人
面積:
1万4,874 平方キロ
km2

長く続いた独立を求める闘争とその後の混乱の後、どのように国を復興させるのか? これが、東ティモールの人々が直面した課題でした。

東ティモールの政府と人々は、多くの人が予想したよりも早く、復興を成し遂げました。政府などは健康、教育、電力の分野に予算を割き、電気を使える人の割合は2011年の30%から2015年には82%まで増加、生活は変わりました。

その一方で、水とトイレの問題は遅々として改善が進みませんでした。特に、貧困層が多く住んでいる山岳地域が課題でした。アクセスも困難なこうした地域は、地元の自治体が提供する水・衛生などのサービスに頼っていますが、自治体の資金や能力も十分ではありません。サービスがあっても、地滑りや洪水が発生すると、これらの維持が難しくなります。

が清潔な水を使えません

それは人口の5分の1以上です。

が適切なトイレを使えません

それは人口の半分近くです。

の子供が下痢で命を落としています

不衛生な水と、適切なトイレの不足が原因です。

東ティモールでのウォーターエイドの活動

ウォーターエイドは、電気と同様に、清潔な水、適切なトイレ、正しい衛生習慣が東ティモールの人々にとって当たり前のものになるように政府とともに活動しています。

ウォーターエイドは、疎外されている人々が、自分たちが持つ水・衛生にアクセスする権利を求めることを支援します。そして、地方自治体が人々を手助けするための手段や能力を持てるように支援します。ウォーターエイドは現地パートナー、現地政府、企業や支援者の皆さまと連携しながら、これらの全てのステップに寄り添い、人々の生活に持続可能な変化がもたらされるように活動していきます。

水が来て、村の生活の全てが変わった

Image: WaterAid/Tom Greenwood
コミュニティーにとって最も大事なものは水です
マヌファヒ県グロツ村のエテルヴィナさん(45歳)

エテルヴィナさんは、人生の大半を東ティモール中央部のマヌファヒ県グロツ村で過ごしてきました。エテルヴィナさんにとって、水はとても大きな問題でした。以前は、水が必要になると往復2時間かけて川へ行っていました。

川べりは滑りやすく、エテルヴィナさんは不安を感じながら水をくんでいました。川の水は不衛生で、エテルヴィナさんはその水を飲むと腹痛に襲われました。しかし、エテルヴィナさんや村の人々は、その水を飲むしかありませんでした。それが日常だったのです。

ウォーターエイドは地元のパートナーと共に、このグロツ村の状況を改善しました。何キロも離れた高台にある水源から村の中心部まで給水管を敷設し、高低差を使って水を流し、村の人々が清潔な水が使えるようにしました。このタイプの設備を、自然流下式給水設備と呼んでいます。

この設備の維持・管理がなされ、長く使われるために、ウォーターエイドは設計段階から地元の人々と一緒に取り組みました。住民たちは原材料あるいはその費用を負担し、工事に参加し、設備の修理の仕方を学びました。現在、この設備は村の水委員会が運営しています。

「人々は幸せになりました。今、私たちには水があります」とエテルヴィナさんは言います。水が使えるようになり、エテルヴィナさんは、トウモロコシとキャッサバの栽培を始めました。そして、こうも言います。「村の生活の全てが変わりました」。

 

翻訳協力:立命館大学実践経済演習の皆さま