健康、教育、暮らしを支えるのは、清潔な水と適切なトイレ、そして正しい衛生習慣です。しかし、この人間にとって基本的な権利すらない状態で生活している人が何億人もいます。
清潔な水やトイレを利用できない人々は、貧困と病気の悪循環から抜け出すことができません。開発途上国には、貴重な時間を費やして汚れた水をくみに行く女性が何百万人もいます。
予防可能な下痢性疾患で命を落とす子供たちがいます。世界で、5歳以下の子供が亡くなる2番目に大きい要因は、水と衛生の危機によるものです。
水道事業体、国際機関、NGOなどが清潔な水やトイレを利用できる人口が増えるよう活動していますが、それでもなかなかすべての人々が利用できるようにならないのには、以下のような理由があります。
- 政府が、清潔な水と衛生的なトイレの重要性、特にそれらが教育や保健、日々の収入にどれくらい影響があるのかを理解しておらず、結果として水・衛生が、政府が取り組むべき優先課題になっていない。
- 給水サービスやトイレの設置サービスがあったとしても、貧困世帯が利用できる金額設定になっていない。
- 物理的に給水サービスが届きづらい場所に住んでいる-例えば、都市部からとても離れた村、都市部のスラム、紛争や自然災害によってインフラが破壊された地域などには、給水設備そのものが設置されづらい状況にある。
- 障害がある、または、民族、カーストなどが異なるなどの理由で、地域のなかで差別を受けたり、取り残されたりしている。
ウォーターエイドは、団体の戦略のなかで「公平性」を主要な目標の1つに掲げています。障害や特定のカーストなどによって取り残されがちな人々、支援を届けることが物理的に難しい遠く離れた村に住む人々に、きちんと成果が届くように工夫した水・衛生プロジェクトを実施。そしてその工夫や手法が、他の機関にも採用されるよう働きかけています。
2分に1人の5歳以下の子供が不衛生な水やトイレが原因の下痢で命を落としています
2分に1人の5歳以下の子供が不衛生な水やトイレが原因の下痢で命を落としています
(WHO, 2023, Burden of disease attributable to unsafe drinking-water, sanitation and hygiene)
夢を実現する機会を奪われています
乾期になると、プラミラさんは水をくむために、村から離れた場所にある川へ1時間半以上かけて歩かなくてはなりません。川の横に小さな穴を掘り、きれいな水が上がるのを待ちます。水くみのために学校に通うことができず、夢をあきらめてしまう子供たちがたくさんいます。