トイレがないということ

私たちにとって、トイレで用を足すのはあたりまえのことです。ドアのカギを閉め、排せつ後に水を流し、そして流したものを忘れます。

すべての人がすべての場所で、衛生的に排せつ物が隔離され、尊厳とプライバシーの保たれたトイレを利用する権利があります。しかし世界では、人口の約5分の1にあたる15億人が適切なトイレを利用できない環境で生活しています(WHO/UNICEF, 2023)。

 

トイレがないことで引き起こされる6つのリスク

1.大人も子供も病気にかかります
不衛生な水やトイレ、衛生教育が行き届いていないことによって、毎年289,000人の子供たちが下痢で命を落としています。また下痢は、子供たちの身体や精神の発達に妨げる栄養不足の50%に関連しています。

2.女性、女の子たちを危険に晒します
家にトイレがないために、女性や女の子たちは暗くなるのを待ってから、用を足すための静かな場所を探します。そのため襲われたり、レイプされたりするおそれがあります。

3. 月経に対応することが困難です
家庭や学校に適切なトイレがなければ、安全に、尊厳を持って月経に対応することは不可能です。月経が始まる年齢になると退学する女の子が多くいます。

4. よい医療が行き届かなくなります
コミュニティの衛生状況が適切でないということは、同様に医療施設にも適切な衛生設備がないということです。患者や医療従事者は、本来予防可能な感染症によって命を脅かされる危険があります。

5. 貧困から抜け出すことができません
不衛生な環境によってコミュニティの人々が頻繁に病気にかかっている場合、生産性のある仕事をしたり、子供たちが学校に通い続けたりすることは困難です。適切な衛生環境なしで近代化と繁栄を成し遂げた都市や国はありません。

6. 経済に悪影響を及ぼします
衛生設備の不備、清潔でない水や衛生教育が行き届いていないことによる病気が原因で、保健医療費の支出、ならびに生産力の低下が生じ、結果として多くの国は、GDPの最大5%分を失うことになります。この数字は、2008年の経済危機のピーク時に起きた途上国経済の下落よりも大きいのです。

 

トイレは命を救う―トイレのような単純なもので、貧困下に暮らす人々の生活を大きく改善することができます。

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