【プレスリリース】インド国内で1か月間に衛生作業員24名が犠牲に

Posted by
WaterAid Japan
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12 April 2022
Kaverappa, 54, manually emptying a pit, in Bangalore, India. August 2019.
Image: WaterAid/ CS Sharada Prasad/ Safai Karmachari Kavalu Samiti

インド国内で、2022年3月だけで少なくとも24人の衛生作業員が下水管内での窒息や溺死が原因で作業中に亡くなったとの報道に際して、ウォーターエイドは犠牲者へ心からの哀悼の意を表すと同時に、こうした状況への強い懸念を表明します。

今回の24名の衛生作業員たちの痛ましい死は、公式に報告された人数だけを表しており、実際の数は、さらに多いとの見立てもあります。これら最新の死亡事故は、3月11日から30日の間にマハーラーシュトラ州、デリー準州、ウッタル・プラデシュ州、ラジャスタン州で発生しました。

このほかにも、インド国内では衛生作業員が日常的に、適切な防護具をつけずに下水管を清掃したり、トイレや腐敗槽の汲み取りを行うなどといった危険な作業にあたらなければならない現実があります。

ウォーターエイド・インドの衛生担当ポリシーオフィサーであるアムルヤ・ミリヤラは次のように語ります。

「インドには、適切な防護具を着用せずに『下水道や浄化槽の危険な清掃に従事する人々』を明確に禁止する法律があるにもかかわらず、過去3年間で161人が下水道や浄化槽の清掃中の事故により死亡しています。これは、法律や政策が、時として誤って解釈されたり、実際には軽んじられたりしていることの明らかな例です。
ウォーターエイド・インドでは、 衛生作業員、とくに非正規で働く脆弱な立場に置かれがちな衛生作業員たちの安全、尊厳、ウェルビーイングを守るために活動しています。その一環として、マニュアルスカベンジング(手作業での排泄物のくみ取りや清掃のこと)に従事する非正規作業員に対し、下水道やタンクの清掃に関するトレーニングや職業上のリスクに関するアドバイス、安全装置や個人防護具を提供したり、代替となる職業に就くことへの可能性についても理解を促し、自助グループを形成する安全な場所を提供しています。
ウォーターエイドの現在の取り組みは、衛生作業員、雇用者、政府職員に対して、衛生作業員の尊厳や職業上の安全に関する行動変容をもたらすことに注力しています。」