5月28日は月経衛生の日~女性による生理用品の対策と社会の無策
5月28日は、月経衛生の日です。清潔な水や適切なトイレがない問題は、月経中の女性・少女にとってはとくに深刻です。学校や職場の水・トイレの環境が整っていないため、月経の間、通学や出勤やできない女性も多くいます。女性たちは、生理用品の問題にも直面しますが、それぞれ工夫をしながら対応しています。ウォーターエイドの活動国から、そうした女性たち自身の対策についてのレポートが届きました。
ウガンダのレペラ・ジョイスさんは、月経中、ヤギの皮で作られた「月経スカート」を使います。
「一度お店でナプキンを買ったけど、私は好きではありませんでした。なぜなら、経血量が多いときは、1日に3個以上のナプキンを使うことになり、お金がかかるからです。でもヤギの皮で作ったスカートなら一日中、使えます」
ネパールのサンギタさんは自分自身でナプキンを作ります。
「既製のナプキンは高価なうえ、きちんと廃棄しないと環境を汚染してしまいます。私たちの地域では廃棄物を処理が不十分なので、既製のナプキンが水源を汚染する可能性もあります。そうしたことも考えると、手作りのナプキンはずっと安全です」
多くの国では、布素材が女性に好まれており、廃棄物の処分問題にも好影響です。使い捨てのナプキンは環境へ大きな影響を及ぼします。たとえば、インドでは、月経のある女性が約1億2100万人います。彼女たちが月に1人、ほんの8個のナプキンを使用したとしても、年間120億個が廃棄されることになります。
世界の人口の半数が、人生の長い期間、月経を経験します。しかしながら、これまで月経の問題はオープンには議論されず、重要な問題として扱われてもきませんでした。女性は、自分が行く先々で月経にどう対処するか、行った先に清潔な水や適切なトイレがあるか、生理用品をどう処分するか、ずっと心配してきたのです。
最近、タンザニア政府とインド政府は、生理用品に対する税金を廃止すると決定しました。ウォーターエイドタンザニアの現地代表イブラヒム・カボレは「月経のときも肩身の狭い思いや不自由な思いをすることなく生活できることは、女性と少女の権利です。生理用品への税金の廃止という政府の決断は正しい方向性への大きな一歩でしたが、さらに多く取り組みが必要です。人口の半分は自宅近くで清潔な水の供給を受けられず、75%以上が安全で清潔なトイレを使用することができません。これらは月経中の女性にとって不可欠です」と述べています。
ウォーターエイドジャパンの杉山真里菜は「水・衛生の環境が整わない地域の女性たちは、日本にいる私たちには想像することが難しい環境のなかでも、工夫をしながら生活しています。貧しさやごみ処理の課題もあって、生理用品を自作したり、動物の皮を使ったりしているのです。5月28日の月経衛生の日を機会に、日本でも女性だけではなく男性たちにも月経衛生の課題に関心を持ってほしい」と話しています。
ウォーターエイドは、適切な水・衛生環境をつくることはもちろん、月経に関わる衛生知識の普及に取り組んでいます。