ブルキナファソ
首都:
ワガドゥグ
人口:
2,090万人
面積:
27万4,200
km2

内陸国のブルキナファソにとって水は非常に貴重

ブルキナファソの乾期は10月に始まり、翌年5月、あるいはもっと後まで続きます。乾期には、サハラ砂漠からの熱く乾いた風が平原と丘を吹き荒れます。雨は降らず、ほとんどの川が干上がります。多くの人々の生活は厳しいものですが、若者たちは民主主義と人権、平等を求め、未来を信じています。

ブルキナファソの水をめぐる状況は、この20年間で大きく改善しました。2001年の「水に関する法律」は、清潔な水、適切なトイレ、正しい衛生習慣の重要性を認めました。政府が、5つの流域を管理し、すべての国民にこの水を供給するという法的な枠組みも作られました。

しかし、依然として多くの課題が残っています。水・衛生サービスに責任を持つのは地方自治体ですが、資金と技能は十分ではありません。そのため、水を求めて長い道のりを歩かなければならないことや、井戸の手押しポンプが壊れたままになっていることも、よくあります。トイレの大切さの理解が十分に広まっていないために、新しいトイレが使われていないこともあります。

人口の半分以上が清潔な水を使えません

それは約1,100万人に相当します。

が適切なトイレを使えません

これは4人中、3人に相当します。

の5歳未満の子供たちが下痢で命を落としています

不衛生な水と、適切なトイレの不足が原因です。

ブルキナファソでのウォーターエイドの活動

ウォーターエイドは、最貧困層に属し、最も阻害されている人々が、水やトイレを安定して使えるようになること、衛生習慣を実践するようになることを目指して活動しています。ウォーターエイドは、政府や水・衛生サービスの事業者が適切に事業を運営し、人々がサービスを受けられるにように、政府や事業者とも協力しています。また、設備の整備を進めるだけではなく、衛生習慣の普及を合わせて行うことで、人々の健康増進の効果が最大になるようにしています。

世界には解決すべき多くの課題があります。その中でウォーターエイドは、水・トイレ・衛生習慣という基本的な問題に焦点を当てています。それは、これらの問題が改善されることによって、人々の生活は大きく転換するからです。

住民たちで水位を測って水を管理

Image: WaterAid/Andrew McConnell

乾期でも水が使えなくならないように

私たちは、住民たちが水の循環について理解できるように、住民たちと一緒に活動しています。地域内の水資源について学ぶことで、住民たちは水の専門家となり、水の量に応じた使い方や水の管理について考えられるようになります
ウォーターエイド・ブルキナファソのコーディネーター、ルシアン・ダミバ

ブルキナファソの南東部に位置するブルグ県の人々は、乾期の終わりの2か月の間、水に苦労してきました。飲み水や料理のためだけではなく、体を清潔に保つためにも、家畜のためにも水は必要ですが、それだけの量の水を見つけるのは大変でした。多くの川が干上がり、井戸の水だけが頼りになります。

大勢の人が1つの井戸に集中すると、地下水の水位はどんどん下がります。使い過ぎで、井戸の水が枯れてしまったり、設備が壊れてしまったりすることにもつながります。そこでウォーターエイドは、この問題を解決するためにパイロットプロジェクトに取り組みました。

ウォーターエイド・ブルキナファソのコーディネーターであるルシアン・ダミバは、コミュニティの人々に、井戸の水の量や降雨量などを測定する方法を説明しました。どのようにすれば、水を節約することができるか、そして年間を通じて水が使えるようには、水の使用方法や管理をどのようにしていったらいいか、住民と一緒に考えました。

「降雨量を観測したり、井戸の水位を測ったりすることで、地域内にどれだけの水があるのかを把握することができます。住民の中から選ばれたボランティアらが、測定方法を学び、身に着けました」

ルシアンは、コミュニティの中に水の専門家が育成されるというブルグ県での取り組みは、他の国・地域でも活用できる有効なアプローチだと考えています。

「渇水に悩まされているアフリカや世界各地のコミュニティの未来を変える可能性があります」とルシアンは期待します。

誰一人取り残さないために

最も一般的なトイレは、地面に穴があり、地中に排せつ物を貯める構造になっています。しかし、このタイプのトイレは、障害者にはとても使いにくいものです。ウォーターエイドは、すべての人がトイレを使えるように、ピラジーさんの住んでるディサン・コミュニティでトイレを改修し、使いやすく、プライバシーに配慮したものにしました。

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Image: WaterAid/Basile Ouedraogo

翻訳協力:立命館大学実践経済演習の皆さま