ルワンダ
首都:
キガリ
人口:
1380万人
面積:
2.63万
km2

「千の丘の国」と呼ばれるルワンダは、東アフリカに位置する内陸国です。1990年代の内戦後、ルワンダは大きな発展を遂げています。 
 
現在、ルワンダでは、5人に3人が清潔な水を利用し、人口の3分の2が適切なトイレを利用できます。
ルワンダ政府は、すべての人に清潔な水とトイレを利用し、衛生習慣を実践できるようになるための計画を継続しています。

しかし、最貧困層は、都市から離れた山岳地帯など支援が届きにくい地域に住んでいることが多く、いまも基本的な水・衛生サービスを利用することができないのが現状です。政策立案者たちは清潔な水やトイレを普及させるための効果的かつ適切な方法に関する情報を必要としており、水・衛生の事業者は、持続可能なシステムを導入するための資金を必要としています。

ウォーターエイドは、2009年からルワンダでの活動を開始。これまでに、95,000人が清潔な水を、142,000人が適切なトイレを利用し、500,000人が正しい衛生習慣を実践できるようになりました(2021年)。ウォーターエイドは、水・衛生専門のNGOとして、意思決定者に水・衛生に関する正確な情報を伝える活動を行ったり、コミュニティの人々と現地のローカルパートナーが一丸となって問題により組めるようなを環境づくりを行ったりしています。また、水・衛生の取り組みへのさらなる資金を呼びかけ、より効率的に資金を使うようにキャンペーンを実施するほか、地域コミュニティの積極的な参画を促し、意思決定者に生の声を届けるための活動も行っています。 

ウォーターエイドは、皆さまのとともに、ルワンダの人々にとって「水・トイレ・衛生習慣」が当たり前になるよう、活動を続けて参ります。

エチオピアの地図

清潔な水を利用できない人数 
(2023年)
※人口のおよそ34.9%

清潔なトイレを使用できない人数
(2023年)
※人口のおよそ26.2%

水と石けんを使った手洗い習慣を実践できない人数
(2023年)
※人口のおよそ81.6%

引き渡し式
Image: WaterAid Rwanda

本プロジェクトは、2023年3月から2024年3月にかけて、外務省の令和4年度日本NGO連携無償資金協力事業として実施されました。 インフラ省の調査によると、本プロジェクト対象地域であるガハラ・セクターは、家庭で水を利用できるのは人口の1%、水のアクセスがある学校は7%、水のアクセスがある保健医療施設は0%と、水・衛生環境が最も劣悪なセクターの1つです。

今回のプロジェクトは、約19キロのパイプ網からなる給水システムの建設、17か所の水くみ場の設置、学校3校でのトイレ整備と衛生クラブの設置、住民を対象としたトイレと手洗いの普及促進、給水システムの維持管理研修などを実施しました。給水システムの建設によって、8,621人に安全な水を供給し、学校3校でのトイレ設置により、5,507人の生徒と学校関係者の衛生環境を改善することを目指 して実施されました。
 
清潔な水を届けるために選んだ方法は、湧き水を水源とする既存のルボナ給水システムの給水網を拡張するというものです。ルボナ給水システムは、2003年にキレヘ郡政府が建設した10kmのパイプ網を有する既存の給水システムですが山がちな地形によって給水網を拡大することができず、多くの住民が安全な水を利用できない状態が続いていました。 

そこで本プロジェクトでは、ルボナ給水システムの100立方メートルサイズの貯水槽から、対象地域に水を届けるためのパイプ19キロを新規で敷設し、給水システムの稼働に必要な貯水槽8基、空気弁室6基、バルブ室14基、ウォーターバルブ室7基、そして17か所に水くみ場を建設し、高低差を利用して敷設したパイプを通して、重力で水が運ばれるものです。この給水システムの設置によって、住民8621人が清潔な水を利用できるようになりました。

 

東部県ブゲセラ
Image: WaterAid/ James Kiyimba

ウォーターエイドは2018年~2021年、ルワンダのブゲセラ郡とニャマガベ郡において、学校を対象とした3年間の水・衛生プロジェクトを実施しました。本プロジェクトによって、雨水貯留タンクの設置、または既存の給水網との接続を通じて、50校で清潔な水を利用できるようになりました。また、3年間で30校に新しいトイレ棟を設置したほか、82校において生徒主導による衛生習慣の促進に取り組みました。 

ウォーターエイドはプロジェクト初年度である2018年、ニャマガベ郡の4校で、パイプの接続工事を実施し、学校において郡の給水システムを使えるようにしました。ウィンググ小学校もこの年、雨水貯留タンクが設置された学校の1つです。プロジェクト前は、学校に給水設備がなかったため、生徒たちは自宅から水を運んでくるか、または谷を下りて水くみに行かなければならず、頻繁に授業を欠席せざるをえませんでした。 

また、同校には、女子生徒が安心して月経に対応できるよう、「月経衛生ルーム」も設置し、その部屋で、女子生徒が先生に月経について相談したり、急に月経が来た際に生理用品を入手したり、必要に応じて体を洗ったり横になって休んだりできるようになりました。 

支援の現場から