【活動レポート・ブログ】10月15日は「世界手洗いの日」:世界の保健医療施設で手洗い設備があるのは半数のみ

WaterAid

毎年、10月15日は「世界手洗いの日」です。今年の世界手洗いの日のテーマは、「Unite for Universal Hand Hygiene(=すべての人が手洗いをできる世界の実現にむけて団結しよう)」です。世界が一丸となって、すべての保健医療施設において、医師や看護師、そして保健医療施設を利用する人々が適切に手を洗い、清潔な水を利用できるようにすることは、保健医療施設での感染を防ぎ、人々の命を救うことにつながります。 

2022年8月、世界保健機関(WHO)とユニセフが世界の保健医療施設における水・衛生の状況をまとめた報告書を発表しました。この報告書によって、2021年現在、世界の保健医療施設のおよそ半分(51%)にしか、基本的な手洗い設備が備わっていないことが明らかになりました。保健医療施設における水・衛生に関する主要なデータは以下の通りです。

  • 世界では、17億人が保健医療施設の敷地内で水を得ることができません。そのうち8億5,700万人は、給水設備が保健医療施設から500メートル以上離れた場所にある、給水設備そのものがない、といった理由で、保健医療施設で清潔な水を得ることができません。
  • 後発開発途上国の保健医療施設では、3分の1(32%)に基本的な手洗い設備(=治療する場所またはトイレから5メートル以内に水と石けん、あるいはアルコール消毒液による手指消毒ができる設備)がありません。
  • 有効だった地域のデータによれば、世界の10%の保健医療施設にはトイレがありません。
  • サハラ以南のアフリカ諸国では、39%の保健医療施設で基本的な医療廃棄物処理が行われている一方、55%では処理が限定的、さらに6%では医療廃棄物の処理・管理がまったく行われていませんでした。

保健医療施設に基本的な手洗い設備が欠けていれば、医師や看護師など医療従事者は患者に接する前後に手を洗うことができず、適切かつ安全に処置・治療をすることができません。また、出産した女性たちが、生まれたばかりの赤ちゃんや自らの身体を洗うこともできません。このようなことが原因で、感染症にかかり、人々の健康が危険にさらされ、最悪の場合、命を落とすことあります。

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を経て、世界がいかに相互につながっているかを目の当たりにしてきました。新型コロナウイルス感染症からサル痘まで、病気やウイルスは国境という垣根を超え、すさまじい速度で拡散しています。ウイルスや細菌の薬剤耐性化が進み、毎年100万人以上が命を落としている現状を前に、国際社会が一丸となって保健医療に投資をする必要があります。

保健医療施設への投資は必要不可欠であると同時に費用対効果の高い投資とも言えます。富裕国が年間6億米ドル(約872億円)、G7諸国に住む人口1人当たり1ドル以下という金額を拠出することで、2030年までに後発開発途上国46か国のすべての保健医療施設で清潔な水とトイレが利用可能になります。

世界では、保健医療施設における水・衛生の重要性に対する認識が高まってきています。2019年の世界保健総会では、世保健医療施設での水・衛生環境の改善に関する決議が採択されたほか、2021年5月に開催されたグローバル・ヘルス・サミットで出されたローマ宣言でも保健医療施設の水・衛生に注力することが記載されました。こうした動きを受けて、マラウイ、タンザニアなど複数の国で、保健医療施設の水・衛生の状況を改善するための戦略や計画が策定されています。

ウォーターエイドは、引き続き保健医療施設における水・衛生の重要性を訴え続け、すべての人がすべての場所で水・衛生を利用し、衛生習慣を実践できる世界の実現のために活動してまいります。

出典:Progress on WASH in health care facilities 2000–2021: special focus on WASH and infection prevention and control (IPC). Geneva: World Health Organization (WHO) and the United Nations Children’s Fund (UNICEF), 2022. Licence: CC BY-NC-SA 3.0 IGO