手洗いで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に立ち向かう

Posted by
WaterAid Japan
on
24 March 2020
In
衛生習慣/Hygiene, 水/Water
Roshna, 19, helping her child Kainat, 3, to wash her hands in the villlage of Muhammad Urs Sehejo, Chatto Chand Union Council, Thatta District, Sindh Province, Pakistan, September 2018.
Image: WaterAid/ Sibtain Haider

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が現在、世界中に急速に広がっています。この世界的な大流行は公衆衛生上の緊急事態であり、人々の健康、教育、および生活に深刻な影響を与えています。

水と石けんを使って頻繁に手を洗うことは、新型コロナウイルスを含む感染症の流行を防ぐ最も重要な方法の1つです。しかし、多くの低中所得国では、手洗いのための設備が家の中になく、また、手洗いの大切さや適切な手洗いの方法が広く知られているとは言えません。

  • 家庭:世界では、40%の家庭に、水と石けんを使うことのできる手洗い設備がありません(*1)。後発開発途上国では、人口の約4分の3が、水と石けんを使うことのできる手洗い設備を使えません(*2)。トイレ使用後に石けんを使った手洗いを実践している人は世界でわずか19%です(*3)。
  • 保健医療施設:世界の半数近く(43%)の保健医療施設には、水と石けんを使うことのできる手洗い設備がありません(*4)。
  • 学校:世界の47%の学校には、水と石けんを使うことのできる手洗い設備がありません(*5)。

手洗いは、最も簡単かつ効果的にさまざまな病気を予防することができる方法の1つです。急性呼吸器感染症の症例が16~23%減少(*6)、肺炎が50%減少(*7)することを示す報告もあります。

ウォーターエイドは、40年近く水・衛生専門に取り組んできた団体として、新型コロナウイルスのコントロールおよび感染拡大防止のため、重要な行動である手洗いなど正しい衛生習慣の普及促進にこれまで以上に力を入れます。そして、各国政府が実施・主導する正しい衛生習慣の普及の取り組みを支援します。

ウォーターエイドは従来から、活動する複数の国において、現地政府と連携しながら、正しい衛生習慣の普及のための大規模な取り組みを展開してきました。新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、ウォーターエイドは、特に下記に重点を置いた活動を開始しています。

  • 人々がこまめに手洗いできるよう、市場、バス停など多くの人々が集まる場所に手洗い設備を設置する。
  • 手洗いの重要性、正しい手洗いの方法を啓発するために地域レベル・国レベルの手洗いキャンペーンを実行する。各国政府が正しい衛生習慣を普及させる計画を立て、メディアやウェブサイト、ソーシャルメディアなどを活用して、その計画を実施に移すことを支援する。
学校で手を洗うインドの生徒
学校で手を洗うインドの生徒
Image: WaterAid/ Prashanth Vishwanathan

ウォーターエイドは当面、活動国のなかでも人口が多いバングラデシュ、インド、パキスタン、エチオピア、ナイジェリアにおける活動を優先していく予定です。

ウォーターエイドは、これらの国において、従来から衛生習慣普及プログラムに取り組んできました。これらの国において衛生習慣の普及を進めることは、世界に及ぼす影響を抑え、近隣国が直面するリスクを軽減することにもつながります。

これらの国において、水と石けんが使える手洗い設備を利用できない人口の割合は、 

  • バングラデシュ:65%
  • インド    :40%
  • パキスタン  :40%
  • エチオピア  :92%
  • ナイジェリア :58%

に上ります。

鉄道の駅に設置した手洗い設備(バングラデシュ)
鉄道の駅に設置した手洗い設備(バングラデシュ)
Image: WaterAid

 

人との距離を保つように促すため、複数の店の床に設置したステッカー(ザンビア)
人との距離を保つように促すため、複数の店の床に設置したステッカー(ザンビア)
Image: WaterAid

また、現在のリスクは低いものの、今、対処することで、今後の新型コロナウイルス感染症の急激な流行を抑えるため、ネパール、ガーナ、マリ、タンザニア、マラウイ、ブルキナファソ、モザンビーク、ミャンマーでも取り組みを強化していく予定です。

ウォーターエイドは、世界保健機関(WHO)の提言、ならびに各国の保健省の優先事項をふまえ、新型コロナウイルス感染症の流行を抑えるために最も重要な、次のような習慣・行動の普及などに取り組みます。

  • 石けんでの手洗い: 両手をこまめに、水と石けんで洗います。正しい方法で十分に洗います(特に、調理や食事の前、鼻や顔に触れる前、トイレに行った後、汚れ・ほこり・液体や人が頻繁に触る物に触れた後)。
  • 呼吸器衛生(咳エチケット): 咳やくしゃみの際に鼻と口を覆う(ティッシュなどがなければ、上着の内側や袖で覆う。ティッシュを使った場合はふたが閉まるゴミ箱に捨てる)。その後、石けんで手を洗う。
  • 人同士の物理的距離の維持: 体調が悪い人(症状がある人)との密接な接触を避ける。あいさつするときに、握手など接触することを避ける。
  • 清掃: ドアノブ、携帯電話など、頻繁に触れる場所を、こまめに清掃する。
  • 食品衛生: 調理済みの食品、特に肉や卵を食べ、新鮮な果物や野菜は十分に洗浄し、食品を調理または取り扱う前に石けんで手を洗う。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ6つの方法
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ6つの方法
Image: WaterAid

(*1) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24889816

(*2) https://www.who.int/water_sanitation_health/publications/jmp-2019-full-report.pdf

(*3) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24889816

(*4) https://www.unwater.org/publications/wash-in-health-care-facilities-global-baseline-report-2019/

(*5) https://data.unicef.org/resources/wash-in-schools/

(*6) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16553905

(*7) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16023513

 

特設ページ

ウォーターエイドの新型コロナウイルス感染症に関する取り組みは、以下のページからご覧いただけます。

手洗いで新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ

 

新型コロナウイルス感染症の流行を防ぐため、ウォーターエイドは、手洗いなど衛生習慣の普及促進の取り組みを拡大しています。この取り組みを継続、さらに拡大し、より多くの人々が手洗い習慣を実践できるよう、皆さまのご協力をお願いいたします。 

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