危険な出産
安全な水を得られないことで、マルガリータさんのような助産師の日常には困難が伴います。
2つの課題
ニカラグアのコロンバスで助産師として働くマルガリータ・ゴンザレス・カステリョンさんには、2つの解決しなければならない課題がありました。
1つ目の課題は「時間」です。マルガリータさんを必要としている妊婦さんたちの多くは、町の中心部から離れた村に暮らしているため、彼女たちの家にたどり着くのに半日ほどかかることもあります。遠くにある村にもできるだけ早く着けるように、マルガリータさんは馬に乗って仕事に向かいます。
2つ目の課題は「水」です。多くの家庭や村の保健センターでは、安全な水を手に入れることができません。そのことが、出産時にお母さんや赤ちゃんに危険を及ぼすことをマルガリータさんは痛感していました
「下痢は日常的な病気です。しかし、免疫力が弱っている妊婦にとっては、とても大きなリスクです。」とマルガリータさんは話します。「不衛生な水は生まれてくる赤ちゃんの肌にも影響を及ぼします。不衛生な水で体を洗うと、赤ちゃんは簡単に感染症にかかってしまいます。」
出産中に合併症を発症すれば、深刻な結果を招く可能性もあります。最寄りの病院までは週に1本運行するバスで3時間半かかるのです。
人生を変える奇跡的な瞬間
しかしこの日、マルガリータさんが直面する課題のうちの1つが解決されました。
たくさんのご支援によって、コミュニティに住む6人を対象にしたトイレの設置研修を実施することができました。この研修によって、すでに102基以上のトイレが設置されました。
その他にも、現地パートナーと協力して安全な水を直接家庭まで届けられるように、雨水貯水システムと自然流下方式による給水設備の設置を進めています。
こうした水・衛生の改善は、日常生活をより安全で安心できるものに変えていくだけはなく、マルガリータさんのような助産師が清潔な水を使って出産をサポートできる、という尊厳を守ることにもつながります。マルガリータさんはこれからも、お母さんになる女性たちの人生を変える奇跡的な瞬間に立ち会い続けます。